小洞南西尾根下降

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神ノ川林道を広河原に向かって歩いていくと、小洞トンネルを抜けたあたりから神ノ川の対岸に存在感のある尾根が見えてくる。風巻ノ頭と袖平山を結ぶ稜線の1135m標高点付近から南西に続き、末端は切り立った神ノ川の渓谷に落ちている尾根で以前から気になっていた。
最近、М-Kさんたち一行が伊勢沢の帰りに下降路として使っていたので歩いてみたくなり、遅ればせながら後追いさせてもらうことにした。

  ■トップ写真/小洞南西尾根900m付近から檜洞丸、大笄方面を観る
山ノ神[7:25]…日陰沢出合…カザマキ尾根[7:32]…風巻ノ頭[8:45]…小洞[9:20]…小洞南西尾根…神ノ川[7:50]…小洞沢出合[11:07]…神ノ川林道[11:13]…日陰沢橋[11:35]…山ノ神[11:42]


きょうは風巻ノ頭に登って尾根ひとつ下るだけのショートコース、神ノ川公園橋から東海自然歩道を行くのが一般的なのだが気がすすまず、日陰沢出合からカザマキ尾根の突端に取り付いて登ることにした。

山ノ神から神ノ川に降り、日陰沢出合の河原を横切ってカザマキ尾根の突端に取り付く。
最初は岩まじりのヤセ尾根だが、それなりに踏跡はあり特に問題ない。正規ルートより、こちらの方が好みだ。600m付近まで登ると植林になり、その先で公園橋から上がってくる東海自然歩道と合流した。そこからは登山道ルートで風巻ノ頭に向かう。

風巻ノ頭は素通りして、そのまま袖平山に向かい、1136mの標高点のわずかに西側から登山道を外れる。このあたりを小洞と言うようだ。
南南西の尾根に足を踏み入れると、切り払われた道が続き、赤白水源杭や境界杭、林業系ピンクテープなどがあり、それなりに山仕事人は入っているらしい。1050m地点までは明瞭で、西に向きを変えるあたりからは赤黒杭を下降の目安に追っていく。
しかし、この尾根、急峻な小洞沢と伊勢沢に挟まれた分水尾根なので、沢に引き込まれるとエライ目に遭いそうだ。ちゃんと下まで下降できても、神ノ川の両岸はゲジゲジマークだらけ、崖の上に降りてしまったらこれも万事休すになりかねない。

段々と原生の原っぱになってきて、行く手方向や足元がよく見えない。うるさいアセビをかいくぐり、サンショウのトゲトゲ攻撃をかわし、何度も小洞沢側に引き込まれそうになりながらも尾根筋を外さないよう気を張り降りていく。

ようやく、神ノ川林道が見える場所まで降りて来たが、神ノ川の両岸は断崖ばかりなのでまだまだ気は抜けない。先日、М-Kさんたち一行が下降したときは、なぜだか途中から西に向きを変え、小洞沢の出合方面に下降しているようだが、このまま南西に下って着地した方が、先端に崖マークがないのでソフトランディングできるだろうと読みヤブコギを続ける。

下から神ノ川の瀬音が聞こえてきたところで、尾根筋を少し外してヤブから抜け出し、うっすらと残る踏跡をたどっていくと、読みどおり、崖にぶち当たることなく、神ノ川の川辺に降りることができた。
ここは、周りが断崖絶壁に囲まれているので、神ノ川林道に上がるルートを知らないと戸惑ってしまうが、下流の小洞沢出合まで神ノ川を歩いていけば、左岸から林道に上がれる径路があるので大丈夫だ。

標高差にすればわずか500mの下降ながら、けっこう楽しめた尾根だった。
なんて偉そうこと言えるのも、無事に降りられたからで、どこかで読み違えていたらどうなっていたかわからない。
病気持ちの物好き尾根であることは間違いなく、決して最初のルンルン道につられて尾根に入るとことのないようご注意ください。


日陰沢出合
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風巻ノ頭
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東海自然歩道の1135m標高点手前、右の赤白杭が下降地点。
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最初は登山道と大差ないルンルン道。
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左手にヒワタ橋が見える。
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容赦ない、サンショウのトゲ攻撃の洗礼を受ける。
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神ノ川林道が見えてきた。曲橋(ワタバシ)あたりかな?
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無事、神ノ川右岸に着地。
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2016.7.6(水)

《今回のルート図》

この記事へのコメント

  • M-K

    イガイガさん
    小洞南西尾根、ありがとうございます♪
    あの激渋尾根を同じく歩いて下さったとは‥。
    同病相哀れむ‥とか、痛み?を解ってもらえて
    うれしいです。イガイガさんが先端へ下降されたのは
    次なる課題でした。径路が無くなる頃小洞のほうへ
    赤黒杭が下りていましたが、小洞は滝が出て来る筈だし、
    急傾斜で下りる気はしませんでした。
    神ノ川下降地点のやや左手へ渡ると径路で林道へ
    上がれます。下見行のとき林道から下りて確認しました。
    あそこから上がって大滝上に下りる手もありますが
    コラボ者は0でしょうね‥。
    2016年07月14日 01:56
  • イガイガ

    МーKさん、面白そうなので、遅ればせながら追わせてもらいました。
    神ノ川林道から見ていると、とても歩けそうにない尾根と思っていましたが、想像していたよりは歩けました。(簡単、楽という意味ではありません)
    途中から赤黒杭が小洞沢側に続いているところがあり、どうしようか悩みましたが、かなり急そうにみえ、下る方向を読み違えて登り返すことになったらキツそうなのでやめました。 南西尾根筋は激ボサ、トゲトゲ地獄は変わらずですが、それさえ我慢すれば何となく歩ける空間があり、神ノ川の下降地点も素直です。
    でも、ここに下降したら、伊勢沢出合から林道に上がった方が早そうですね。
    2016年07月14日 08:02

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