はっぴーさんリクエストのキュウハ沢右岸尾根、キュウハ沢と四町四反ノ沢界尾根と言ってもよいのだが、
これでは長いので、ここでは“キュウハ沢右岸尾根”ということにした。
呼び方はともかく、この尾根、取り付きが厄介でキュウハ沢のゴルジュ連瀑を抜け、大滝の右岸と四町四反ノ沢が出合う左岸とに挟まれた分水尾根である。そんな面倒くささもあり、入り込むのは丹沢のヘビーマニアぐらいで手つかずの原生が残るよい尾根である。尾根を抜けでた先は、竜ヶ馬場直下の凄絶な崩壊地を眺めながら、広大な笹原を歩いていくのもまた爽快である。
塩水橋[6:57]…本谷林道…キュウハ沢出合[7:57]…キュウハ沢F1[8:37]…右岸巻き道…四町四反ノ沢出合[9:00]…キュウハの大滝…キュウハ沢右岸尾根取付き[9:09]…竜ヶ馬場ベンチ[11:57/12:15]…日高[12:28]…三角ノ頭[12:55…出逢い[13:05]…日高径路下降…オバケ沢[14:00]…右岸巻き道…また出逢い[14:42]…本谷林道[15:04]…塩水橋[15:57]
塩水橋から歩きだし、本谷林道いつもの三角ノ頭定点観察地点、
真ん中に見える尾根筋が、帰りに予定しているルートである。

本谷林道終点手前、キュウハ沢出合の橋から右岸に入り、キュウハ沢の堰堤を左から巻いて二つ越えたところで沢に降りる。
左岸に渡り、さらに堰堤を二つ越えていくと最後の堰堤手前左岸にご存知、星型複列18気筒、中島飛行機製“誉”エンジンの慰霊碑がある。
以前はシリンダーからシャフトが飛び出ていたと思うのだが、それがない。
まさかと思うが、不届き者がかっぱらったのか

もしそうであったら許せないが、一礼して堰堤を越えていく。

キュウハ沢の堰堤群が終わり、本格的な沢歩きはここからなのだが、きょうはキュウハ沢のF1は眺めるだけで右岸の巻き道に回る。
巻き道はF1を少し戻り、右岸に入る枝沢の左岸側から残置のロープをつかんで岩場を登ったら
ザレ気味の斜面を渡り、四町四反ノ沢出合まで巻き道をトラバースしていく。

巻き道から四町四反ノ沢の堰堤の上に降りていくとキュウハ沢大滝の勇姿があらわれた。

キュウハ沢の右岸、四町四反ノ沢から見れば左岸側の尾根に取り付き登っていく。
植林のない針葉樹が多い尾根で、ツガやカヤなどが目立つ。
ほとんど人が入り込まないので無用なマーキングがないのも嬉しい。

この木は、最近ようやく識別できるようになったヤマグルマ。
山地の岩場でまれにみるが、樹木図鑑には載っていないことが多い。

この尾根、後半は気持ちのよい笹原が広がり、点在するブナやシナノキがアクセントとなっている。
特徴が分かり、判別できるようになったシナノキを感慨深げに見上げる、はっぴーさん。

向こうに見えているあたりが主脈線、竜ヶ馬場は間近だが大きく口を開けた崩壊地が行く手をはばむ。

吸い込まれそうな崩壊地のヘリをたどって竜ヶ馬場のベンチに向かう。けっこうスリリングな場面だ。

竜ヶ馬場の休憩ベンチに到着、幸い誰にも見られずベンチ裏へ…

誰もいないと思って休んでいるうち、知らぬ間にハイカーが増えてきた。
帰路は日高から三角ノ頭を経由して下山する予定である。
通い慣れたこのルート、三角ノ頭までくれば、あとは蛇足みたいなもんで、
北東の尾根の仕事道をくだればキュウハ沢出合にラクに降りられる。
しかし、今回は少し変化をつけてみようと東尾根をくだって本谷に降りることにした。
三角ノ頭から北東尾根と東尾根の分岐に向かっていると、前方のスギ木立の陰で休んでいる人影をみつけた。
このマイナーな山域、難しくはないが入り込む登山者は少ない、きっとハミダシ者に間違いない。
もしかすると顔見知りかな?
なんてことを思いながら近づいていくと、おや~
あの青いヘルメットに紫のウインドブレイカー、そして黄色のスパッツ見覚えがあるぞ。
そうだ間違いない、М-Kさんだ。
はっぴーさんに「М-Kさんがいるよ」といっても「うっそ~」で信じません。
きょうは土曜日だし、一線を退いたような発言が目立つM-Kさん、
こんなところで会う訳がないと思うのも当然かも。
間違ったらカッコ悪いけど大声で「М-Kさぁ~ん」
やっぱりM-Kさんだ。ほら顔に書いてありました(笑)

最近のマイナス発言に、動向を心配されている方も多いのではないでしょうか。
心配ご無用“山○○症候群”は、死ぬまで治らないことは、同類項の私がよく知っています。
むしろ前よりも、秘めたるヤル気が満々なご様子なのでご安心ください。
長い人生、ときには環境の変化に対応しなければならないこともありますからね。
積もる話もいろいろあってお名残り惜しいですが、一旦逆方向へとお別れ、
また塩水橋あたりで会えたらいいね。なんて思いながら、われわれは東尾根の仕事道をたどって本谷へ下る。
こちらのルートは明らかに遠回り、三角ノ頭北東尾根をピストンするМ-Kさんと、
ここでまたあったら笑っちゃうね、なんて話ながら歩いていたら笑っちゃいました。

三角ノ頭北東尾根を下りてきたМ-Kさんとふたたびバッタリ、
待ち合わせしたわけでもヤラセでもないです。奇遇ですなぁ~

ペチャクチャ話ながら歩いていると…
るっせぇなぁ… 昼寝させろよと物憂げなカモシカ君。
全く逃げだす素振りはなし、最近はシカよりカモシカによく遇う。

そして、いつもは長く感じる本谷林道も、マニアックな話に花が咲き、あっという間に塩水橋でした。

老婆心ながら・・・、老爺心?
キュウハ沢右岸尾根(竜ヶ馬場東尾根)、地図読みができれば竜ヶ馬場の広い笹原を東に下って尾根に乗ることはそれほど難しくない。ただ、尾根の末端はキュウハ沢のゴルジュ帯だということをお忘れなく。そこから沢沿いを歩くのは不可能で、巻き道を知らないと途方にくれる。
この尾根を初めて歩くという人は、下降路にするのをやめた方がよいということ一言書き添えます。
2017.2.25(土)
《今回のルート図》
この記事へのコメント
はっぴー
個人的にはキュウハ沢右岸尾根の方が好みでした♪
当然ではありますが、
M-Kさんと歩かれた○年前は若かったんですね~(^^)
M-K
まさか、私も想定外でありました。
おかげさまで激楽しかったです~。
正にあのV字合流地点でのはっぴーさんのパチリは
流石です‥。全く意図もナニもないんですからね~。
積もる話もスッキリスー!でよかったです。
イガイガ
三角ノ頭からずいぶん遠ざかっていたんですね。
車派は塩水橋に車を置いていくことが多いので通勤路ですが、バス派は大倉が起点なのでまず歩かないですね。
当然ではありますが「あの時君は若かった」です。
亡くなった、かまやつひろしさんのご冥福をお祈りいたします。
イガイガ
まさかね、あんなところで二度もバッタリとは…
登山道で人に会うのは苦手ですが、マイナーどころで顔見知りに逢うのは嬉しいものです。これだからVはやめられませんね。
「俺の山紀行」駆け出し当時を思い出して歩くのもよいかもですよ