大好きなニシタンの紅葉を見に出かけたいが、この時季の玄倉川周辺には行きたくない。檜洞丸もいいけど、ここも人出は多そう。畦ヶ丸ならそれほど人はいないだろうが、たんに登山道を歩いても面白くない。
やっぱり、沢から登るのが一番だが、神経擦り減らす危なそうな沢や、頭から水浴びしそうな沢はイヤ、そんなワガママな要件を満たし、写真映えがして沢の詰めもラクな、モロクボ沢を遡り、畦ヶ丸まで行ってみることにした。
用木沢出合[7:09]…山びこ橋[7:24]…モロクボ沢[7:30]…モロクボ沢大棚[7:45]…800m石積堰堤上[8:33]…水晶沢出合[8:49]…滑棚沢出合[9:24]…960m二俣[9:34]…1120m二俣[10:24]…甲相国境尾根登山道[10:42]…畦ヶ丸[10:50]…善六ノタワ[11:21]…善六山[11:36]…塩地窪ノ頭[12:00]…山びこ橋[12:45]…用木沢出合[12:56]
春のツツジや秋の紅葉の頃ともなると、早朝から混み合う奥中川園地周辺の駐車スペースを尻目に、車が入れる最奥の用木沢出合まで進んだら車を置いて出発する。こちらはツツジ新道をピストンするだけのミーハーたちは来ない、どちらかと言えば丹沢中上級者が多く利用する場所なので、先着の車両はまだ2台のみ。このあと後続車が来ても、うまく並べて止めれば、あと4、5台は止められるスペースである。
ここで沢靴に履き替え、支度を終えたら出発。白石林道のゲートをすり抜け、旧キャンプ場跡地への橋を渡り、モロクボ沢沿いへと進む。雷木沢の出合に架かる山びこ橋を渡って植林を抜け、正面に塩地窪沢が出合うところからモロクボ沢に降り遡行を開始する。ゴーロの沢を右岸左岸と歩きやすいところを選びながら15分ほど遡ると、沢が右に曲がって豪壮にして流麗、丹沢屈指の美瀑“モロクボ沢の大棚”が姿をあらわした。

じっくり眺めて写真を撮り終えたら、右岸側に渡り、大棚を右手に見ながらザレた斜面に取り付いて岩陰にある階段状の岩窪を登る。以前は、残置の補助ロープがあったはずだが撤去されたのか、きょうは見当たらない。あればあったで使わせてもらうが、なければないで岩角のホールドや木の根をつかみ、濡れた岩に乗った落ち葉に足を取られないよう気をつけながら這い上がり、大滝落口にトラバースして抜けでる。
ここからは、文より写真。標高800mの石積堰堤までは写真でどうぞ。
大棚落口から下をのぞきこむ
大棚すぐ上、階段状のF2、大棚と一連と見るべきか…
F2の上にはナメ床が続く


ナメ状斜瀑のF3

F3の上から

大きなプールをもったF4と石積堰堤


800m堰堤の上から登ってきた滝場を見下ろす

モロクボ沢のおいしいところ、いわゆる核心部はここまで、あとは延々とゴーロ歩きになる。

滝場をすぎれば、あとはゴーロ歩き、ここからのモロクボ沢は登山道歩きよりよっぽど楽チン。
その分、傾斜がゆるいので歩いた距離の割にはなかなか標高が稼げない。
水晶沢を右に分け、善六ノタワに至る越場ノ沢を左に見送り、右から出合う滑棚沢をすぎると、
960mで二俣になる。
左は大塩地沢、ここは右に進路をとると、石積堰堤以降で唯一出合う“く”の字の3m棚だ。

この辺りからは沢の分岐が増え、地図と方角を確認しながらじゃないと、どこに詰め上げるかよく分からない。
とは言え、どこに詰めても大した苦労はなく稜線に登り詰める。
本流筋とおぼしき沢を選びながら、最後の二俣となった1120m地点へ、
ここで沢を離れ分界尾根に取り付く。

モロクボ沢ノ頭と畦ヶ丸の中間地点で登山道に合流した。西には雪をかぶった富士山、
やっぱり白い帽子はよく似合う。

葉を落とし、すっかり冬支度の畦ヶ丸登山道だが、きょうはポカポカ小春日和(1100m付近)

帰りのルートは善六ノタワから善六山に上がり、南東にくだって塩地窪ノ頭に向かう。
ここから北にくだると、境界杭も無意味なマーキングもない自然度充分の尾根。
気持ちよく歩いていると、途中からあのうざったい紫ヒモがヒラヒラ…
付けている本人どういうつもりか知らないが、いい加減にしてもらいたいものだ。
最後は植生保護柵にさえぎられてとまどうが、無事、旧キャンプ場の山びこ橋横に降りてきた。
もう少し時間がかかるかと思っていたが、意外とスムーズで、思っていたより早く下山ができた。
おかげで帰路の246も混みだす前で、渋滞の拠点もひっかからず、3時にビール。
やっぱり、ニシタンの沢歩きは性分にあっているのか、気持ちがやすらぐ。
丹沢に雪が降るまで、もう少しのあいだ沢遊びが楽しめそうである。
2017.11.25(土)
《今回のルート図》
この記事へのコメント
shiro
いつもながら勉強になります。
読み方は『オオショチ』でしょうか?
イガイガ
坂本光雄さんの古い資料に「大鹽地澤」という表記があったので引用しました。
勝手に、大きなシオジの木があったので「オオシオジ」かな?なんて思っていますが、正確な読み方は分かりません。