大栂周辺古道探索

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本日の山遊びは、shiroさん、レガーさん、はっぴーさん、M氏、それにオマケで参加したイガイガの曲者五人衆。
どうしてこの五人が一緒かは、自分でもよく分かっていないので他のメンバーのブログをみてもらうとして、とりあえず課題としたのは、道志から菰釣山に登り、南稜の大ダルミにくだって大栂の西側山腹をからむ径路を探索すること、そして大栂の南側から東の斜面をトラバースする城ヶ尾歩道を検証してみるということである。

 トップ画像は菰釣山からのスッキリ富士山、本題には関係なし
(三ヶ瀬)西沢林道ゲート前[6:50]…前ブナ沢乗越(盗伐コシッパ)[7:27]…菰釣山[8:00]…大ダルミ(大樽)[8:47]…大栂(大ツガノ頭)[9:02]…径路探索…菰釣沢[11:57/12:21]…シキリ尾根南東派生尾根[12:23]…菰釣山[13:38]…ブナ沢・大西沢界尾根[13:55]…西沢林道ゲート前[14:34]

道の駅から三ヶ瀬川沿いに入り、東沢と西沢の分岐を右に進んで西沢林道のゲート近くに車を止め出発する。
ここまで、けっこうデコボコな道なので軟弱な車は入れないが、きょうはM氏の万能装甲車に相乗りなのでチカラ強い。林道を行かずに、押し出された大ガレがゴロゴロするブナ沢に入って踏跡をたどり、途中から甲相国境尾根に近い、前ブナ沢を登って稜線にあがる。ここまで40分たらず、15分も歩けば菰釣山に着いてしまうのだから道志からのアプローチはやめられない。
菰釣山で少し休んだら目的の南の尾根をくだる。この尾根、10年ぐらい前までは藪が濃く、掻き分けながら進んだ記憶があるが、今はすっかり衰退して見通しもよく昔の面影はなくなった。

画像左の概略地図は、昭和47年11月号の「新ハイキング」に掲載された羽賀正太郎氏の寄稿文からの引用で、同年7月、西丹沢を襲い甚大な被害をもたらした集中豪雨の二カ月後に、道志から菰釣山を越え世附の山々の惨状を記述しながら地蔵平に入ったときのものである。

さらに、この図が付されていた記事から、大栂周辺の関連箇所を抜粋してみると、
“うるさいスズタケを体ごと、ぶつけるように押しすすめてくだりつづけていくと、古い指導標の立つ大ダルミにでる。ここでわずか右に下ってから、大ツガノ頭直下を巻くように南に向かって巻いて進む。道はあるが雑草が繁茂して歩きにくいしうるさく、藪漕ぎに近い道である。おまけに道が崩れているところがある。ほとんど平らに、山腹を巻くように進んでいくと、道は左にカーブし、図根点標示板のある地点で、右に植林の中を降戸峠に下る道がわかれている。”とある。(降戸峠=織戸峠)

今は記述のような“うるさいスズタケ”はなく、枯れたスズタケがまばらにあるだけで藪漕ぎもなく、一気にくだって鞍部の大ダルミに立った。

前方に観えるピラミダルな山容が大栂、ここを下った鞍部が最初の目的地大ダルミだ。
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かつては指導標があったという大ダルミだが、もちろん今は欠片もない。当時の道が残っていないか、西側を探ってみると、わずかな道形があった。しかし、数十メートル先で山抜けした崩壊地にぶつかり突破は困難、早くもここで頓挫してしまった。それならば、大栂を越えた反対側から攻めてみようと、南側の1100m付近まで行き、山腹を巻く径路がないか探してみると、何となく続くそれらしきところがあった。さっそくたどってみると、歩けはするが、せいぜいケモノの通り道といった程度のバンドで、あまり安全とは言えず、やがて不安定なザレ場に行く手をさえぎられ先に進めない。油断して滑ったら下まで転げ落ちること間違いなし、先にはなんとなく平行なラインが見えているが無理はせず、大栂の西斜面の現況が確認できたところで諦め、引き返した。

画像続いて東側山腹をトラバースして、富士見峠に至る城ヶ尾歩道の探索を開始。前出の芳賀氏の記事によると、
“富士見峠へはなおも左に平らに山腹をからむ道を進む。あい変わらずの雑草の繁茂と、部分的に道崩れのある悪い道だ。”とある。
46年前の記述に、すでに荒廃した道だったことが書いてあるので、その後、修繕もされずに放ったらかしのままならば、道形さえも消えてしまっているかもしれない。標高から判断して、道がどこかにあるはずと探しても、それらしいところはみつからず、はっきりしないまま1065mの図根点石標の付近から見当をつけて東側の斜面に入った。
標高を頼りにトラバースを続けるが、ついつい歩きやすいところに引っぱられるので歩くラインがズレてしまう。微調整しながらトラバースを続けるが結局ハッキリみつけだせないまま、大栂南西の太い尾根にたどりついた。

整備された登山道歩きとは違い、常に谷側の足を踏ん張り、滑らないよう気を使いながら歩く斜面のトラバースは、距離のわりには時間がかかり体力も消耗する。さらにもう少し、斜面のトラバースを続けてみたが、明確な道形は見つけ出せず、帰りの時間を考えるとこれ以上の深入りはできない。菰釣沢に降りてランチタイムとしたところで探索を打ち切った。
帰り道は、シキリ尾根から派生する菰釣沢左岸の尾根に取り付き、菰釣山まで登ってブナ沢と大西沢の界尾根をくだって駐車地へ戻り、本日の山遊びを終えた。


道なきトラバースに悪戦苦闘しているときは、何がおもしろくてこんなことをやっているのだろうと思うこともあるが、けっこうそれが楽しくてやっている。一回の廃道探索で道がつながることなどマレ、初回は下調べ的感覚で雰囲気をつかみ、家に戻って状況を思い出しながら、歩いた軌跡と照らし合わせて間違いを分析、再挑戦の意欲につなげている。なので、結果がダメでもまったく気にしていない。
ただ、廃道探索病に一度かかってしまうと、完遂せずにはいられなくなるのは困ったものだが…

 2018.1.14(日)

《今回のルート図》

この記事へのコメント

  • ardbeg

    イガさんとshiroさんの車がなかよく並んでいて珍しいなあ.と思ってました
    大勢で遠足だったんですね
    今年も痺れるお誘いお待ちしてます
    2018年01月18日 19:44
  • イガイガ

    道志側からのアプローチが続いているようですね。
    遠足に合流できず残念でした。

    痺れるヤツもやりたいけど、ついていけるかな…
    2018年01月19日 07:06
  • レガー

    イガイガさん
    先日はありがとうございました。
    古道探索、奥深さを感じました。

    大栂南斜面から西側に延びていた経路、
    もう少し先も確認してみたくなりますね。

    「痺れるヤツもやりたいけど・・・」
    トラバース探索も、沢に負けないくらいの
    痺れる場面に出くわす可能性大ですね♪
    2018年01月19日 09:47
  • イガイガ

    レガーさん、地味~な山遊びお疲れさまでした。

    今度は、シキリ尾根を下って荷干沢の方から探ってみたいと思っていますが、なにしろ遠いので躊躇してしまいます。
    日が長くなってからチャレンジかな…
    2018年01月19日 17:05

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