連日の猛暑続き、こんなときは水と戯れるのが一番、家にいるよりは涼しいだろうと、神ノ川の伊勢沢へとでかけた。もちろん、何度か歩いている沢ではあるが、たいていは原小屋平に抜けるか、枝沢を下降するかで、本流筋と思える姫次へはまだ歩いていなかった。というわけできょうは、姫次まで詰めてみることにした。
(トップ画像:伊勢沢F1上段)
日陰沢橋[6:30]…神ノ川林道…伊勢沢出合[7:05]…F1[7:15]…F2[7:45]…F3[8:30]…伊勢沢大滝[8:40]…大滝落口[9:00]…1000m二俣[9:37]…湧水口[10:59]…姫次[11:22/11:30]…袖平山[11:40]…風巻ノ頭[12:30]…山ノ神[13:20]…日陰沢橋[13:26]
日陰沢橋のゲートから神ノ川林道を歩くこと30分、一面苔に覆われた擁壁がつづき、道筋が右に曲がっていくあたりで谷側に続く踏跡をみつけ、たどって下降した神ノ川の対岸が伊勢沢の出合になる。国土地理院の地形図は、どちらが本流か分からないような描き方をしているが、実際の出合いは地味で間違いようがない。

徒渉して出合を少し遡ると、間もなく二段のF1があらわれる。
全体の落差は10mぐらいか、滝下を左からへつって下段に取り付いたら、上段は水流左の残置されたトラロープにしがみつき、ゴボウで越える。

ここからしばらくは、釣り屋が好みそうなゴーロがつづき、小滝や大岩を越えながらすすむ。

F1から30分ほど遡ると、滝下の大きなプールに姿を映す、落差15mのF2となる。
プールのような淵を左から回り込み、左手の岩壁に垂れるロープを頼りに攀じ登り越える。

800m付近で沢が大きく湾曲する手前左手から流下する三ノ沢を見上げると、奥には大きな滝が見える。
寄り道したいところだが、前衛の滝越えが面倒で遠くから眺めるだけ。写真はズームで撮ったもの。

Uターンするように折れ曲がり、トイ状に流れる節理の岩盤を抜けて、ふたたびゴーロを少し歩くと、大滝への難関となる二段のF3が立ちはだかる。全体の落差は15mぐらいだろうか、濡れずに越えようと思うとかえって危なそうなので、下段の右からへつりぎみに取り付き、上段はしぶきを浴びながら登って、古い鎖やロープをつかんで落口に抜けた。

オマケの4mを左から越えれば大滝とのご対面。

大滝広場に立ち、50mの落差を一気に滑り落ちる伊勢沢の大滝を眺める。

大滝のエネルギーをもらったら、手前右手のルンゼに取り付き、30m以上登ったところで左の斜面の踏跡をたどって大滝落口へとトラバースしてむかう。
途中に補助ロープもあり、木の根や細木もしっかりしているので、見た目より安心して越えられる。
大滝を越えた先の920mの二俣。右が本流で左は袖平山からの五ノ沢。

本流に入ると地蔵岳方面から流下する沢が右から出合う。
出合奥に滝があるので興味をひくが、沖はまったく平凡でつまらない沢、行かぬ方がよい。
その先、本流は右の岸壁が崩落していて沢筋をふさいでいる。
倒木をくぐったりガレを乗り越えたりして通過すると3mの滝にぶつかり左から巻く。

続く5m滝もまとめて巻いて越える。

1000mの二俣。左は姫次方面、右は原小屋平方面へ。

左俣に入ると、ガレに埋もれた滝もないつまらん沢でがっかり。

そんな中、沢の真ん中に根を張り頑張るカツラを発見。
そして、このさきの1050mあたりで水の流れはガレの下に消えた。

涼しかった沢の中も、水の流れがなくなるとムンムンした空気が流れてくる。
このまま汗だくで姫次まで詰め上げるのかとうんざりしていると、伏流だった沢に水流が復活、
東海自然歩道のある左岸の斜面から、二段の滝となって枝沢が水を落としていた。

たどりたくなるが、よく見れば本流にも水がもどっている。
本流の流れを追っていくと、姫次に直接詰め上げる谷筋は崩壊地の様相を見せはじめた。
本流筋を最後まで詰めるのは無理そうだなと思っていると、水流は左岸に続いている。
登山道がある稜線は近いのにけっこうな水量で、5mの滝となって落ちていた。

左から越えても水量はまだまだ豊富。

ここまできたら源を見ないわけにはいかない。
水流沿いを登っていくと、斜面の隙間から源となる湧水がコンコンと湧き出ていた。

湧水口からそのまま登っていっても登山道は近いはずだが、稜線と並行するように姫次方面に続く踏跡があった。左下は崩壊地なのでどこまで行けるか分からないがたどってみると、結局最後は姫次の休憩広場手前で東海自然歩道に合流、そこからひと登りしてベンチにたどり着いた。

世間的には三連休の初日、猛暑の予報がでているとはいえ、昼の時間帯ともなれば休憩ベンチはハイカーに占領されているかと思いきや、誰もいなくて拍子抜け。
帰り道はふつうに袖平山から風巻ノ頭を経由して神ノ川にもどるルートをとったが、風巻尾根を下った最後は神ノ川公園橋に下りず、登山道をはみ出して直進、神ノ川と日陰沢の合流地点に下降して神ノ川を横断、山ノ神の前で林道に上がった。
遠回りして谷底に下ってから公園橋を渡り、階段を昇らされるルートが、どうも納得できないんだよなぁ…
2018.7.14(土)
《今回のルート図》
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