記憶が正しければ三回目の訪問となる樅ノ木沢だが、沢の印象がだいぶ薄れてきた。このところ続けて西沢を歩いたこともあり、樅ノ木沢の記憶を新たにするため訪れてみることにした。
山伏トンネル[7:48]…山伏峠分岐[8:06]…山伏歩道…金山沢[8:55]…樅ノ木林道[9:02]…西沢横断[9:13]…樅ノ木沢(堰堤上)[9:16]…樅ノ木沢遡行…甲相国境尾根[11:45]…山伏トンネル[13:14]
日頃から、早出早帰りをモットーとしている山遊びなのに、きょうはうかつにも寝過ごし、普段よりも一時間ほど遅い出発になってしまった。それでも十分に余裕をもった山遊びなので、あわてることはないのだが、なにぶん今はお盆休みの期間中、帰りが遅くなって渋滞に巻き込まれるのは避けたい。素早く行って早めに切り上げるつもりである。
出発が遅くなった分、走る車も多く、道志みちをのんびり走る行楽車にくっついて、ようやく山伏峠トンネルの駐車地に着いた。めずらしくきょうは先着車両が4台も止まっている。もしかすると西沢か樅ノ木沢あたりに入っているのだろうか。そんなことを思いながら支度をすませ、廃虚の奥の山道に取り付き山伏峠に上がる。
樅ノ木沢までのルートは、先回の西沢のときとほぼ同じだが、最後は山伏沢側に下らず、反対側の沖ビリ沢の左岸に下って金山沢を渡り、水ノ木林道を少し歩いて樅ノ木林道に入るつもりだ。この径路、金山沢側から取り付くのは分かりにくいが、山伏峠側から下る場合は、とくに迷うようなところもなく歩きやすい。
大きく折り返していく樅ノ木林道をたどって西沢に入り、そのまま沢を横切り、わずかに残る林道に続く踏跡を追って、樅ノ木沢の石積堰堤の先で沢の中に降り立つことができた。
おそらくこの林道は、堰堤工事のために造られたものであろう。
今回も出合の樅ノ木橋からではなく、樅ノ木沢と西沢の分岐地点からの遡行である。
樅ノ木沢の前半を省略してしまうと、堰堤からしばらくは棚らしい棚もなくゴーロ歩きの連続になる。
しかし、右岸や左岸から流入してくる支流に綺麗なナメや棚がみられ、そちらに惹かれるがきょうは本流筋を行く。
左は790mの左岸に出合う枝沢でナメが綺麗、右は840m左岸15mほどの棚がある。
左は860m右岸6mの棚で出合う枝沢。右は880m、本流のゴルジュ手前で左岸の岩壁を伝い落ちる枝沢。
そろそろゴーロ歩きに飽きてきたころ、ようやく本流もゴルジュになった。
最初の4m棚は登れると思うが手前の釜が深くて近づけない。右壁から巻いていく。
続く奥に見えていたこの棚、下段は階段で簡単。
上段は挟まった岩の間を抜けて登った記憶はあるが、無理はせずに右から巻いていく。
990mで棚が落合い、両門の滝のような眺めになる。
ここは本流筋と思われる左の流れの水流に沿って登る。
しばらくナメ床が続く。
このナメ棚を越えると沢は三俣、アミダクジのようでどれが本流か分からなくなる。
どれにしようかな…で行き先を決め進んでいくと、段々のナメ床が続いている。
どこまでも、沢形がなくなるまで登り詰めていく。
危なくなったら尾根に逃げるつもりでいたが、もう少し、もう少しで、意外と歩けてしまう。
危険な登りをすることもなく、覚悟していたヤブコギもなく、
気がつけば、すぐそこはもう甲相国境尾根の登山道である。
「どこからアプローチしても遠い世附の山奥の沢」の思い込みがあったが、それは神奈川県サイドからアプローチしたときのことで、山梨県側から上手に攻めれば、短時間でも楽しめることがよくわかった。
2018.8.18(土)
《今回のルート図》
この記事へのコメント
TI-AEK25
師匠に遅れること2時間半、当隊も樅ノ木林道を通過した模様です。最後の西沢にズルズルっと滑り落ちる一歩が踏み出せず、双耳エンテイの出合の下流に戻ってトラバりながら沢に下りました。
記録によると双耳エンテイは昭和2年の築で、当時の写真を見ると周囲は見事なハゲ山で、どこでも通れたっぽいです。樅ノ木林道はやっぱホーミー時代の林業用じゃまいかと思うのですが。。
イガイガ
樅ノ木林道から西沢に降りるところに残っていた、ずったような跡、あれは先行者がつけたものですが、あそこは腰をかがめて慎重に降りれば簡単に降りられたはず、トラバースするよりずっと安全ですよ。手も足もでなかったとはやっぱり🐢..
山中遭遇できず残念