キュウハ沢の大滝の下で西から直角に出合うのが四町四反ノ沢である。以前、竜ヶ馬場に登り詰める右俣は歩いたことがあるが、日高に詰め上がる左俣はまだ歩いたことがなかった。滝が連続してワクワクドキドキ感のある右俣とは違い、左俣は滝好きの期待を裏切りそうだが、とにかく歩いてみないことにはどんなところか分からない。
というわけで、四町四反ノ沢の左俣を歩いてみることにした。
塩水橋[7:05]…本谷林道…キュウハ沢[7:45]…四町四反ノ沢出合[8:28]…四町四反ノ沢…1070m二俣[10:05]…左俣…詰めのガレ場[11:00]…日高直下の裸地[11:22]…三角ノ頭[11:42]…旧日高径路(三角ノ頭南尾根)…オバケ沢オバケ堰堤[12:40]…大日沢出合[12:53]…オバケ径路[13:07]…長尾尾根[15:47]…鳥居杉尾根[16:15]…塩水橋[17:00]
ご無沙汰しておりましたが、ちゃんと生きております。
とりたてて体調をくずしたとか、山遊びをやめてしまったというわけでもなく、山歩きは定期的に続けておりますが、ブログが面倒くさくて億劫になり、記事の更新をサボっておりました。
しかし、ここらで一発アップしておかないと本当に忘れ去られてしまいそうなので、気持ちを奮い立たせ、ブログ記事を書くことにしました。
長い間続いていた県道70号の桶小屋橋周辺での擁壁工事もようやく完了したかと思いきや、今度は青宇治橋手前の路肩が崩落し、現在は人も車もシャットアウトで完全通行止め、宮ヶ瀬側から塩水橋までは入れず、ヤビツ峠を越えていくしかなくなった。距離は少し延び、時間もかかるようになったがしかたがない。ヤビツ峠を越え、札掛を見送りようやく塩水橋にたどり着いた。
ひそおりとした塩水林道ゲートそばに車を置き、支度をして歩くことおよそ45分、キュウハ沢の出合まで来ると作業用モノレールの施工中、どうやら左岸尾根に単線軌道が設置されるようだ。
キュウハ沢の右岸を進み、堰堤を4、5個越えていく。エンジン慰霊碑をお参りしてから、キュウハ沢のゴルジュを通らずに右岸の高みにある巻き道を使ってキュウハの大滝下へとむかう。ここで左から流入してくる沢が四町四反ノ沢である。

四町四反ノ沢出合の低い石積堰堤を越えて沢沿いをいくと、最初の3m滝が見えてくる。
ここは水流左を簡単に攀じって越える。

しばらく歩いてあらわれたのが2段10mの滝。
少しさがって手前左側のルンゼに取り付き、踏跡を追って左上を巻いて越えていく。

上流で崩落したガレが流されてきてゴロゴロする沢の中を歩いていくと
右上から細い流れの滝が出合うと、左に曲がった沢筋が斜瀑となって岩間に続く。

その奥にある一枚岩の4m滝は、簡単そうだがホールドにとぼしく登れそうにない。
ここも左のルンゼに取り付き巻いていく。

この先しばらく滝らしいものはなく、25分ほど歩くとあらわれた2段9mの滝(6m+3m)
これも登れないので左からバンド状を巻いていく。

そして1070mで二俣になる。

水量は同じくらい。竜ヶ馬場にむかう右俣は立った滝が重なり、滝好き心をくすぐり非常にそそられる。
右俣は急傾斜の流れが続くだけで滝の姿はなく、期待薄の様相だ。
左俣 右俣


揺らぐ気持ちをぐっとこらえて左俣へと進む。
悪くはないが物足りない。

左俣に入って滝と呼べそうなのは、この5mだけだった。

やがて水流が地面に消えるとガレ場が始まる。

ガラガラと崩れて歩きにくい凄絶な谷間を登っていく。

登ってきた谷間を振り返る。

最後まで詰めていくと、日高から三角ノ頭方面に下った赤土の裸地にでた。

源頭付近のガレ場や崩落地の際を通過するときは、地震が起きないことを願いつつ通過したが、歩きにくいことをのぞけば、とくに悪場や危険地はなく意外と素直に稜線までたどりついた。
右俣の連瀑を見てしまったので左俣の物足りなさは否めないが、右俣の滝場を避けてエスケープルートとして使うにはよい沢だろう。
さて帰り道はどうしよう。
三角ノ頭から本谷林道にくだってしまえば一番簡単だが安易すぎて面白味がない。それに、なるべく一筆書きのルートで歩きたいので、三角ノ頭南側の旧日高径路をオバケ沢までくだり、長尾尾根の北側山腹をからむオバケ径路をたどって長尾尾根から塩水橋に戻ることにした。
旧日高径路といっても、すでに道形は残っておらず、下部にわずかに痕跡がある程度だ。オバケ沢に降りるところを間違えると崖に阻まれて降りられなくなるので舐めてはかかれない。
大日河原の右岸から続くオバケ径路も、今は消えつつある径路で荒れ果てたままだが、要所、要所で通過地点の要点を知っていれば何とかなる。ただし、一旦ルートを誤ると、ドツボにはまって四苦八苦するのでここも十分に注意が必要である。
長尾尾根にでてからは、本谷吊り橋にはくだらず、鳥居杉尾根を歩いて林道ゲートに直接たどりつくルートをとった。

ほとんど知る人はいないが、古いながらもちゃんと径路があり、最後は少しだけゲート横の薄暗い沢を歩かなければならないのだが、ゲート脇に立て掛けられた木梯子を降りて戻ってくることのできるルートだ。
もちろん、誰にでもお薦めできるルートではないが、マニアックルートに興味のある方、探してみてはいかが?
ただしルートを間違えると、断崖の上にでてしまい、危険な目に遭いかねないので十分ご注意を。
2018.9.12(水)
《今回のルート図》

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