今回は、東丹沢札掛のタライゴヤ沢支流、押出し沢にいってみた。
西丹沢中川の押出し沢ではないのであしからず。
札掛橋駐車場[7:30]…境沢林道…押出し橋[8:00]…押出し沢…長尾歩道[10:40]…札掛橋駐車場[12:20]
札掛橋の駐車地から境沢林道を歩きだし、丹沢ホームの先にある簡易ゲートの脇からタライゴヤ沢に降りていく。
沢沿いを少し歩けば、右手の小高いところに栄光ヒュッテがあり、その玄関先をとおらせてもらい林道に上がる。
こうすると、沢に沿って大回りする境沢林道をちょっとだけショートカットできるのだが、時間的には大差なく、くだらないこだわりだ。

押出し橋まで歩いたら、せっかくなのでタライゴヤ沢に降り、押出し沢を出合から遡行してみた。
しかし、押出し橋をくぐると砂防堤があり先に進めない。
わざわざこだわって出合から歩いてみたが、橋からすぐに堰堤を越え、沢に降りた方が賢明だったようだ。
堰堤を右から越えていくと、さっそく3mの小滝、2mの小滝が続き、さらに2条の4m滝と続いているが、いずれも簡単な登りの小滝ばかりだ。

そして、「押出澤第一號練積石堰堤」が行く手をはばみ、ここは右から越えていく。
大正の震災後、荒廃した丹沢の復旧工事の一環として造られた堰堤だ。

やがて、沢を横切る道の簡易橋の下をくぐる。
この道、境沢林道の終点から山腹を絡んで延びてくる林道で、今は放置され使われていない。

少し開けた感じになり、振りむけば三ノ塔尾根がよくみえる場所になった。
しかし、相変わらず崩壊地の岩屑や倒木が行く手をはばんで歩きにくい。
10mぐらいの二段になった斜めの滝も、滝下は崩壊ガレや流木で埋まり、まったく写真にならない。
地形図ではこの先、枝分かれが多く、どれが本流筋か判断しづらそうにみえる。
しかし、水流のあるほうを追っていけば間違うことなく、
850m付近の分岐も、水の流れは北西の狭く切り立った沢だけで分かりやすい。
北西の沢にすすみ、挟まったチョックストンを強引に越え、このまま稜線まで詰め上げてしまうのかと思って登っていたら、水の流れは右に曲がり、そこに滝があった。(トップ画像)
下から見上げた落差は8mぐらいだが、上にも一段続いていそうだ。
滝の周りを登って越えるのは無理なので、登ってきた沢筋をそのまま安全なところまで登り、岩場をトラバースして滝の上部で沢に降りた。
落口まで戻ってみると、やはり上に一段、4mほどの滝が続いていた。
水はこの先で、ガレの中に消えてなくなった。上部を見上げれば、けっこう急な岩場が続いている。
このまま登れるかどうかわからないが、稜線までは標高差で150mぐらいなので、ここを乗り越えれば、あとはなんとかなりそうだ。
危なそうなら違うルートを探せばいいやと、気楽に取り付いてみたら、急ながら意外に歩けるルートがあり、さほど苦労することなく、長尾尾根の途中で歩道にでることができた。
札掛の押出し沢、沢登りの対象としてはお勧めできる沢ではないが、マニアックな沢歩きや、山歩きのバリーションとしてなら歩いてみてもよいかもしれない。
東丹沢の沢は、西丹沢のそれと違い、岩が黒っぽいので暗い印象を受けてしまうのも損なところかな…
それともうひとつ、夏場のヒルには、くれぐれもご用心を。
2018.9.19(水)
《今回のルート図》
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