何が面白くて、こんな地味なルートを好んで歩くのでしょうかね…
径路探索マニアの自己満足ってとこでしょうか。
というわけで今回の山遊びは、同類M氏と日陰の古道歩きである。
やどりき大橋[6:05]…杉ノ沢径路…大曲[7:35]…旧秦野峠[9:00]…山神峠への旧径路…山神峠[11:12/11:30]…伊勢沢ノ頭[12:30]…檜岳南東尾根作業径路…やどりき大橋[13:58]
やどりき大橋から稲郷のほうに少し戻り、中津川の河原に降りて杉ノ沢の出合に立つ。
ここは十数年前までキャンプ場があったところ、たしかチロリン村といったかな。
今は広場に残されたマイクロバスが、物悲しさを漂わせているだけとなった。

杉ノ沢は滝もなければ急流もない穏やかな沢なので沢沿いどこでも歩けるが、
高い堰堤があるので越える径路を見極める必要がある。
基本は左にルートを取るが、「杉の澤沢堰堤」だけは右が正解で左は高巻きになる。

なるべくかつての古道ルートをたどりたい。
右岸のスギ林に続く古道の痕跡を拾いながら追っていく。

沢が大きく右に曲がる大曲といわれた地点で一度秦野峠林道に上がる。
ここからオンバク橋までは、林道を歩いた方がはるかに早くてラク。
しかし本来の径路は少し山側を通っていたようなので林道を外れ探ってみた。
しかし、これは失敗。ここでけっこう体力を浪費してしまった。

オンバク沢を横切り、秦野峠への旧径路に合流すると、ここからは歩きやすくなる。

秦野峠までの登りは、新しい仕事道もできた。

今まで、秦野峠から山神峠に向かう場合、田代沢の源頭から尾根筋を北に登っていた。
しかし、本来のルートは、一度、伊勢沢ノ頭への登山道を登って西にからトラバースしていたようだ。

960m付近で登山道を外れ、西隣の尾根までうっすら残る踏跡をたどり、
そのままトラバースを続けると、大きくえぐれた雨裂に行く手をはばまれ立往生。
以前よりも深くなったようで、越えられる箇所がなかなか見つからない。
少し上側に登ったところでロープを出し、強引に越えていく。

ガスもでてきて見とおし悪く、道を外したら迷ってしまいそうだ。

小豆畑沢の横断地点は、等高線が広く、どこでも歩けてしまうのでかえって分かりづらい。

径路の石積が残る場所をみつけ、水平につづく道を追っていく。

このルートで苦労するのは、先に述べたえぐれた雨裂の通過と伊勢沢の横断で、
伊勢沢は横断地点を知っていれば、苦労しないで越えられるのだが、
間違った場所に降りてしまうとけっこう難儀するので注意が必要だ。
下降、横断地点を見極めて伊勢沢を渡れば、しばらくは径路の痕跡が続くのだが、途中で段々曖昧になる。
そのままの高度をキープしてトラバースしていくと、やがて崩落した沢のフチに立たされる。
ここを前進するのは不可能なので、下に落合線の鉄塔が見えてきたあたりで見切りをつけ、
30mほど斜面を下ったら巡視路をたどって山神峠に至るのが賢明である。

廃れいく山神峠の祠

本当はもう少し歩くつもりだったのだが、台風通過直後の夏のような気候でもうヘトヘト。
ここで切り上げ、伊勢沢ノ頭に上がって歩き慣れた檜岳の仕事道を使って戻ることにした。
誰にも会うことなく静かな山遊びが楽しめた…
なんて書けばカッコいいのだが、もともと地味で景色の期待できるルートじゃない上に、ガスってちゃねぇ。
渋すぎですホント。
2018.10.7(日)
《今回のルート図》
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