手沢から大室山西ノ肩

画像

写真は、手沢の源頭となる大室山西ノ肩直下、1460m付近から振り返って撮ったものだが、ここが内緒に取り組んでいるミッションと関連がありそうで気になり、確かめてみたくなった。確証はなく、憶測だけなので空振りは覚悟のうえ、とにかく気になったら自分の目で確認しないと気がすまない。結果はどうあれ、とりあえず探索にでかけてみた。

用木沢出合[6:50]…手沢橋[6:54]…手沢…二つ目の堰堤で敗退…手沢右岸尾根[7:30]…手沢800mへ下降[8:38]…本流筋はずす…1400m付近をトラバース…手沢本流筋復活[12:08]…大室山西ノ肩直下[12:37]…登山道[12:53]…犬越路[13:39]…用木沢出合[14:30]

きょうは、用木沢出合に一番のり、二番手の車が来る前に支度を終えて出発する。
林道ゲートをすり抜けて、2、3分歩くと手沢橋に到着、最初の堰堤を左から越えていくと、100mほど先に第二の堰堤が見えてきた。左右とも立った壁なのでうまく越えられるかどうか、近づいて観察してみると、左の壁は垂直で越えられない。右も厳しそうだが、うっすらバンド状のところがあり、そこを伝っていけば何とかなりそうにみえる。
少し戻って取りついてみると、斜面が昨夜の雨でグズグズ、ズルズルと滑って怖い。安心してつかめるようなものも少なく伝っていくのを躊躇してしまう。

 《難敵だった堰堤》
画像

朝早く、まだ沢歩きスイッチが入っていないせいか、テンションがあがらずに弱気の原因になっている。少々ヘタレではあるが、ここで無理することもないので方針転換、手沢は諦め右岸尾根を登って大室山に向かうことにした。
手沢橋まで戻って右岸尾根に取りつき、最初の急登をこなせば、あとは自然度の高い尾根歩きになる。このまま稜線まで尾根伝いに登ってしまったほうが安全で早いのは間違いないが、右下から聞こえてくる手沢の沢音を聞いているうちに、一旦あきらめたはずの沢心が復活してきた。

 《手沢右岸尾根》
画像

またも気が変わり、どこかで沢へ降りられないか、右の谷側を気にしながら歩いていると、下方に水の流れが見え、そこまで下降していけそうな小尾根があった。
最後が崖だと降りられないので、そうなっていないことを願いつつ下っていくと、案の定、最後の20mは急で降りられない。無理すれば転がり落ちそうなのでロープをだし、安全を確保しながら慎重に下降して、無事沢に降りることができた。降りた地点は手沢の800m付近、予想どおり岩屑だらけの沢の中だった。

 《手沢800m付近に下降》 
画像

 《手沢の沢模様3枚》
画像
画像
画像

どっちにいこうか迷うような分岐もなく、水流のあるほうをたどって、方角も確認して1200mあたりまでは間違いなくきたはず。なのに・・・
添付のルート図の軌跡にある1250m付近のループは、沢をふさいでいるチョックストンが越えられずに、右岸を高巻きしたときのものである。巻き終えたあと、崩壊地のような荒れた沢の中を岩登りのように登っていたが、どうも向かっている方向が違うような気がしてきた。コンパスで確認してみると、向かうべき北東ではなく、北西に向かっている。分岐を間違えたという認識はないが、いつのまにか北西方向の沢に入っていたようだ。

画像画像

 《沢をふさいだチョックストン》
画像

目的にしていた大室山西ノ肩に詰める本流からは大きく外れている。どうやらチョックストンの手前からすでに間違っていたようなのだが、どこで間違えたのか思い当たるふしがない。地形図を確認しても、標高1200mから1350mあたりの地形がイマイチ読みきれず、途中で沢と尾根が逆転しているようにみえてヘンな地形だ。
どちらにしても、ここまでギリギリの登りをしてきただけにもう引き返せない。いつもなら、間違えても、まあイイかで、このまま稜線まで詰めてしまうのだが、きょうはどうしても目的とした本流筋に戻りたい。もちろん、ここは急峻な岩場でトラバースできるようなところではない。もう少し安全なところまで登ってからトラバースしようと、崩壊地のような沢の中を登っていく。
ようやく、1400m付近までたどりつき、等高線の間隔が少しだけ広がったあたりに、東方向にトラバースできそうな踏跡があるのをみつけた。おそらくケモノ道なんだろうと思うがとにかく歩けそうだ。途中に何本か、沢筋を横切る箇所があるはずなので、そこがうまく渡れるどうかが不安…、ダメだったら稜線に逃げようと思い、とにかくトラバースを開始した。もちろん、登山道のようにスムーズに歩けるわけはないが、それなりには歩ける。懸念していた崩れた沢筋の横断も、ここしかないという絶妙なところを横切り渡っている。そして、行く手をはばむほどの危険個所もないまま手沢の本流に戻ってくることができた。

 《1400m付近の手沢で復帰》
画像

 《手沢本流、西ノ肩直下》
画像

手沢を遡るはずが、紆余曲折で目的の1460m付近にようやくたどり着いた。
角のとがった岩の破片に埋めつくされた沢の中を、足元に注意しながら周辺を探ってみる。
フムフム…、とりたてて変わったことはないな。
すぐ上はもう西ノ肩だが、登山道に続きそうな踏跡があったので、水平にたどって登山道と合流した。
帰り道は、余計なことは考えず、犬越路を経由して用木沢出合へと戻ってきた。
たっぷり5時間以上かかった行きの道のりとは違い、帰りは2時間もかからず戻ってきた。
これにて本日の山遊びはおしまい。


オイオイ、もったいぶって引っぱっておいて、これで終わりかよ。
㊙ミッションはどうなったんだですって? もちろん、想定どおりな~んにもありませんでした。
でもね、自分なりに心の中にはある確信がもてたので、いずれ確証がもてたら報告しますってことで
ご容赦ください。

 2018.10.20(土)

《今回のルート図》

この記事へのコメント

  • まーちゃん

    手沢ってあまり紹介される事なき沢…地図では存在感十分。ずっ~と気になってました。ある日出かけてみました(AY さん、ミックスナッツさんを巻き込んで)…後半の急登キツかったなぁ
    今は違う世界で登ってますが、いつも記録楽しみにしてます。
    2018年10月30日 22:02
  • イガイガ

    お久ぶりです
    確かに地図で見ると存在感あるんですけどねぇ…、
    以前、まーちゃんたちが沢歩きとしてはつまらないといっていたのを覚えていたので避けていましたが行ってみたると、な~るほど納得でした(笑)
    2018年10月31日 04:40

この記事へのトラックバック