沖箱根沢へ

大滝沢を遡り地獄棚に向かう途中、右岸からほそぼそと出合う沢が沖箱根沢、50mほど入った奥で沢は右に曲がり岩壁を伝い落ちるF1がかかっている。寒い時季は結氷し氷瀑のゲレンデにもなることのある棚なのだが、暖冬傾向の昨今では完全結氷することはなさそうである。もちろんきょうは滝見と沢歩きが目的なので沢が凍っていたら予定変更だが、春のうららのこの陽気、結氷とはほど遠くツララの一本もなかった。       
      
F1の棚下は岩屑と流木に埋まり落差を損している。見える範囲の落差は15mといったところだろうか。落口を見るとすぐ上にF2がほとばしっているのが見える。

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むろん、この棚は眺めるだけ。巻いていくには出合まで戻って左岸を回り込み、裏から取り付けば比較的簡単に尾根に取り付ける。そのあとは少し急だが、細木につかまりながら登っていけばF1の落口に立つことができる。

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F1の上で沢は右を向き、5mのF2とF3、25mのナメ棚が続いている。
便宜上、F1、F2、F3としたが一連の45m棚とみることもできる。

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F2は水流の右が攀じ登れそうだが、コケでヌメっていて危ないので自重。右手の草付きを登ってトラバースしても越えられそうだが、グズグズで安定していないのでイマイチ自信がもてない。第一、越えたとしてもその先に続くナメ棚が安全に越えられるかどうかの保証がない。見た感じは傾斜もゆるく登れそうだが、落口付近はやや立っている。無理すれば滑ってスベリ台になりかねないので登らないほうが無難そうだ。そうなると、左岸尾根に戻って高巻き、F3を越えたところで落口横の斜面にあるバンドをトラバースして沢に降りることができた。

F3の落口に立ってみると、やはり、思っていたよりも傾斜があった。今の季節は水流が少なく、水際のウス茶色のヌメリがまだ洗い流されていないのでよく滑る。巻いてきたのは正解だった。

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F1から続く一連の棚場が一段落すると、しばらくはナメが続く。
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ゆるいナメ床が続き、ヌメリに足を取られないよう抜けていくと前方に一枚岩のF4があらわれた。落差は25mほどだろうか、スラブの岩壁を滑り落ちてきた水流は下部でトイ状になって流れ落ちている。

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F4を越えるには、水流の右手にある岩溝を攀じ登れば越えられる。確か、以前に沖箱根沢を訪問した時はここから登って越えたと思うが、きょうは30mほど手前の左岸にあった長いトラロープを確認しているのでそこを登ってみることにした。だいぶ古いトラロープだが、まだ使用には耐える。こっちのルートの方が安全かと思い登ったのだがザレ斜面を30m以上登ったところで危なっかしい左岸斜面のトラバースを強いられた。どっちがイイかは個人の判断だが、水流右手の岩溝を登っちゃった方が手っ取り早いかも…、どちらにしても、F4の落口に立つことができる。

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F4をすぎると、もう棚らしい棚はない。
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水流の少ないナメ床が続き、ツメに近づくにつれ段々とガレに埋もれた沢になる。
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そして最後は、屏風岩山の東峰付近の山稜に詰め上げて遡行終了。
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沖箱根沢の核心となるのはF1に続く棚場とF4のみ、ほとんどはゆるやかなナメ歩きの短い沢なので巻いてばかりの沢歩きでも余裕を持って歩ける。まだまだ時間は早いがきょうはここまでとし下山ルートは、屏風岩山東峰を北東に進み、地獄棚沢の右岸尾根を大滝沢までくだることにした。間違えて地獄棚沢に迷い込んだらやっかいだが、右岸に切られている径路を知っていれば大丈夫、ザレている箇所も多いが白ザレに緑のコケが映えるマニア好みの径路である。最後は地獄棚下のクランク状のところで大滝沢に合流する。

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あとは大滝沢をくだってマスキ嵐沢の出合から登山道にあがれば、来た道を戻るだけなのだが、同じところをたどるのはあまり好きじゃない。登山口から箒沢林道を少し登って箒沢隧道の上の尾根に下降しようと思ったのだが、何を勘違いしたか大ボケこいた。
ここだったかなと思い適当にくだっていったら「ん?なんか違うぞ…」すぐに間違いに気が付いたがもう面倒だ。そのまま下降していったら結局、大滝沢の簡易ゲートの対岸斜面に降りてきた。ただ無駄に遠回りしただけになってしまったが、こういうチョンボも山遊びの楽しみのひとつなんだよな、なんて負け惜しみでした。

和田バス停そば[6:46]…大滝橋…マスキ嵐沢出合[7:25]…大滝沢…沖箱根沢出合[7:40]…F1上[8:00]…F3上[8:30]…F4上[9:00]…遡行終了、沖箱根沢右岸へ[10:00]…屏風岩山東峰[10:12]…地獄棚沢右岸尾根…地獄棚下[11:06]…大滝沢…マスキ嵐沢出合から登山道…箒沢林道[11:36]…下降尾根勘違い…和田バス停そば駐車地[12:06]


 2020.2.23(日)

《今回のルート図》

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