リヴァスポット先の「通行止」看板を無視するならゲートまで入れるのだが、しっかり施錠されているので通れない。狭い路肩やUターン場所に駐車するのは気が引けるので、少し遠いが松茸山登山口に車を置いて出発する。
林道ゲートをすり抜けると路面はガレが散乱、15分ほど歩いたところで路体が流失してポッカリ抜け落ち前進不能。さすがにガードレールの一本橋渡りは怖いので少し戻り、河原を歩いてから路肩を攀じ登って林道に復帰した。その後もガレの押し出し箇所は至る所にあり、大規模な斜面崩壊や法面崩落も数箇所あってそのたび乗り越えながら進んでいく。
早戸川林道
本間橋の手前で沢のしたくをしていた二人組と出会った。大滝見物にヘルメットもないだろうと思い行き先を尋ねると原小屋沢だそうな。方面はいっしょながらこちらは単身身軽、お先に失礼して魚止橋に着いたのが8時、早いか遅いか分からないが、思っていたよりも時間がかからずに来た。これなら予定どおりの沢遊びができそうである。
伝道から早戸大滝見物で通い慣れた道へ。今にも倒れそうな造林小屋の前をすぎると左斜め前方に見えてくるのが円山木沢のF2、今の季節は水量が少なく見栄えがしないのだが、なんだか高さもまして随分りっぱにみえる。荒れた早戸川の渓流を左下に見ながら、瀬戸沢の出合を過ぎると一カ所径路が切れ落ちているところがある。ご存じの方も多いと思うが、素人大工のような補修がされていて渡りやすくなっていたのだがまた桟道が落ち通過が少々面倒になっていた。
回廊をめぐって第一徒渉点に下降すると濁流に洗われたらしく雰囲気がなんだか違う。岩場のへつり箇所の様子も少し変わっていた。雷平へとつづく第二徒渉点を渡って岩場に回り込んで唖然、雷平の景色が全然違う。ゴロゴロしていた大岩が流されたのはスッキリしている。そして左岸の岩場のへつり箇所が濁流に呑みこまれ削られたのか、取り付いてトラバースできなくなっていた。これも山の宿命、自然の摂理なのでしょうがないね。
雷平付近
雷平から原小屋沢へ。ここも右岸がさらわれ沢幅が広がり、中ノ沢の出合もスッキリしている。その先の大岩が重なる滝も最下段を残し、上段の流れが変わっていた。
そして雷滝。流麗な流れは変わっていなかったが、左岸側の岩壁が崩落、右岸の巻き道際も瀑流に削られたのか以前より滝身が間近になり、落口のすぐ上で沢に戻ることができた。
雷滝
落口
雷滝上の原小屋沢の沢の中が、以前よりも歩きやすくなったと感じるのは気のせいだろうか。 何が? と聞かれるとはっきり言えないが岩が少なくなったように思う。
左岸にナメ滝で出合うカヤノ沢、ここをカサギ沢とする書物も多いが古い資料や地元の資料を検証してみると、ここは茅ノ沢(茅野ノ沢または姫次沢とも)でゴルジュ先の二俣の右俣が笠置沢(かさぎさわ)とするのが妥当だろうと思っている。しかし、確証はないので異論や反論、ご意見ありましたら大歓迎です。そして、このナメ滝も流れが変わっていた。以前は2本の流れがあり左はS字状に流れていたと思う。
カヤノ沢出合のナメ滝
左から越えていくと沢の中は大ガレだらけでかなり荒れていた。20分ほど歩くと一番下にテラス付き2mの滝、その上にスラブの8m滝、さらに10m滝と続いて全体で20mの滝を右から越えロープで沢に戻る。幅広多段の4m、二条の5mと鼻唄で越えていくと核心のゴルジュへ突入。なんてことないだろうと思っていたらけっこう険しい棚の眺めに愕然。カヤノ沢は初めてではないはずだがこんなだったけ…すっかり忘れている。写真では迫力が出せないが20mのカヤノ沢の大滝が流れ落ちている。右の岩場が登れるので右から落口へ回り込むと深い釜を持った3m滝が続き越えられない。さてどうしよう。よく見ると左岸のハングぎみの岩壁にトラロープが垂れている。しがみついて3mほどゴボウで攀じ登るのだが、重いカラダは思うように引き上がらず、何度目かにようやく這いずり上がった。ゴルジュの奥に、10m以上ありそうなスラッとした滝が見えているが、沢に降りてしまうと戻れなくなりそうなのでそのまま左岸沿いを進み滝の先までいったところで沢に戻った。
カヤノ沢核心部最初の8m
続く10m
幅広多段4m
二条5m
そして、カヤノ沢大滝
大滝落口から続くゴルジュをみる
奥の滝を左岸から遠望
カヤノ沢ゴルジュ最後の4mの滝をすぎると平坦な流れになり、ここでカサギ沢との二俣になる。右俣のカサギ沢に進路をとるとやがて水の流れはチョロチョロになり、右手の尾根上まではほんのひと登りだ。踏跡をたどり尾根道に上がれば榛ノ木丸まではちょっとの歩き、何もない山頂は素通りして北東に進み1292mの小丸標高点から北に向かって下降する。
この尾根、しばらくは油断できない。北東側に引き込まれないよう気を配りながら下降していくがここをクリアしてもその先がまた難しい。・998の標高点に向かっていくだけなのだが、尾根というよりは広い斜面、尾根形がはっきりしないので下降方向を間違いやすい。標石もなにもない・998の標高点は気づかずに通過、ここまでの読みは正しかったので、そのまま北東にくだってマッコゴヤ沢の三連ドラム缶に降りたかったのだが厳しそうにみえたので北西に進路変更。へたすれば崖の上に立ってしまいそうな方向だが、ここしかないという箇所を選んで無事に軟着陸できた。でも、振り返ってみると、よく降りてきたなと思える単なる崖だった。
降りてきたのは、最初の目論見の三連取水ドラム缶より上流側、左岸にそれなりに歩ける径路があったはずだが、流されてしまったのかみあたらない。沢の中を歩いてもたいして問題はないのでルンルンの沢歩き、三連ドラム缶からは沢を離れて導水パイプ沿いの径路をたどっていく。
マッコゴヤ沢左岸、アレ沢との中間尾根の一番低いところをまたいでアレ沢を横断、奥野林道の終点に上がった。奥野林道の終点からしばらくは相変わらず荒放題、大平からは沢の部分にガレの押し出しは見られるものの、それほど歩きにくいところはない。ただ一箇所、井戸沢の東側で崩落した岩屑が山積みになったままのところがあったが、森林整備の山仕事が入っているので歩ける道筋がつくられていて問題なく通過できた。
このあとは通行の障害になるようなところはないが、もともと水沢橋のゲート先は一般車両の乗り入れはできないので早戸川林道の代替えにはなり得ない。これからは日が延びる季節でもあり、早朝出発にこころがけて山遊びするしかないようである。
松茸山早戸川登山口[6:20]…早戸川林道ゲート[6:45]…魚止橋[8:00]…伝道[8:15]…雷平[9:00]…原小屋沢…雷滝[9:20]…カヤノ沢出合[10:10]…カヤノ沢ゴルジュ…カサギ沢出合[12:10]…榛ノ木丸北西の鞍部へ[12:23]…榛ノ木丸[12:35]…・1292北東尾根…マッコゴヤ沢[13:24]…アレ沢横断…奥野林道終点[13:55]…松茸山散策路[14:50]…松茸山[14:55]…松茸山登山口[15:33]
2020.3.7(土)
《今回のルート図》
この記事へのコメント
M-K
拝見し、険しさを改めて感じました。イガイガさんの足で雷平へ2,4Hともなれば私にはその5割増し…、ちょっと絶望的でございます。しかしこの領域は外せない処ですのでチョンボを重ねて私自身のパトロールを実践していく所存でございます。
イガイガ
ただ、今はもう林道奥に営業施設がないので急ぐことはないし、あっちこっちの林道がボロボロじゃ復旧予算も足りないでしょうから、全面開通は当分絶望的ですね