緊急事態宣言下では、県内公の施設、公園はもちろん、ちょっとしたハイキングコースの駐車余地でさえ閉鎖されていたが、すでに解除されたあとなので開放されているだろうと、タカをくくって西丹沢ビジターセンターまで来てみると駐車場はシャットアウトのまま。木陰の駐車スペースはロックアウトされていなかったが、まだ朝の6時半だというのにすでに30台ちかい車で埋まっていた。Uターンして何とか端っこのスペースをみつけ、すべり込ませてセーフだったが、このあとやって来た車はキャンプ場の有料駐車場に入れるしかないようだった。
前回の訪問は昨年の6月26日、もう何度も訪れ勝手知ったる本棚沢なので、ゆったり支度を終えズラりと並んだ車のナンバーをみながら、つつじ新道へと向かっていくと、なんと他県ナンバーの多いことか。足立や品川、習志野や浜松なんて近いほう、すぐお隣の車はなんと、はるばる来たぜ札幌ナンバーだよ。わざわざこの時期にここまで来たんかいな?だったらチョットひんしゅくもんだぜ。なんて思うけど、オレだってけっこうウロチョロしてるので同じ穴のムジナだよな。
さて、たまには本棚沢までのアプローチルートを変えようかと思いながらも、いつものように855mピーク越えで東沢林道を歩き棚沢橋へ。ここから檜洞丸までは地形図を見れば短くて近そうだが、そのぶん急峻なので決して簡単ではない。しかし、何度も歩いて失敗しているので遡行のコツは十分心得ている。F1を眺め終わったら少し戻り、左から高巻いて落口の上で沢に戻る。

その先に岩と同化して気づきにくいが
昭和44年に遭難された清水秀雄さんの慰霊碑がある。

黙祷して、先の沢の分岐を右にとり登っていくと、黒くつるつるとした岩肌の本棚にぶつかる。右からも越えられそうに見えるが誘惑にとらわれず、ここは左手のルンゼを登ってから落口の上に続くバンドをトラバースして沢に下降して抜ける。

三段の棚はやっぱり滑りそうなので、右手のザレに取り付き登ってから左岸をトラバースして沢に戻る。

岩床の狭い谷間を登っていくと途中で早くも水流が消えた。そして、仮称ボウズ岩を見上げると表情が以前と違って何だかヘン…
もっとハッキリした顔立ちだったはずなのにクシャっとして、岩肌も白く明らかに雰囲気が変わっている。


撮影した角度は違うが、あきらかに変形している。
どうやら、昨年の台風19号がもたらした大雨で、左岸から大量の岩が流され落ち、岩塔の岩肌を削って表情が変わってしまったようだ。
涸棚を見上げたら左手に回り込んで落口へ。残念ながらきょうも富士山の展望はなし。

涸棚落口、ここでのんびりしばしの休憩。

本日は沢筋を詰めず、尾根ルートで檜洞丸を踏むことにした。
涸棚の落口標高は1280mぐらいなので、つつじの見頃はほぼ終了だったが、右岸尾根を登っていくにつれ、1400mを越えたあたりからじょじょに見頃の木が多くなってきた。




山頂直下は、以前はなかった植生保護柵が新たに張り巡らされ、丹沢放浪人にはつらいのだが、植生の保護のためには仕方ない。増え始めたバイケイソウを踏まないよう注意しながら柵の間を抜けて檜洞丸山頂にたどり着いた。
登山者の数はそこそこ、あふれるほどではないがやはり次々にあがってくる。
山頂を素通りして、そのまま、つつじ新道をくだって帰ろうかとも考えたが、登ってくるハイカーをみたら足は自然と石棚山稜へ。小鳥のさえずりを聞きながら尾根道を歩き、なぜだか“頭”ではない中途半端なところに立っているテシロノ頭の道標は無視、本来のテシロノ頭から登山道を離れると何となくイヤは予感… 植生保護柵を回り込んで石棚沢右岸尾根に乗ると予感は的中、さっそく紫小僧と赤ペンキ野郎が競演だ。むかつく気持ちを抑えつつ、黙々と尾根筋を東沢までくだって戻ってきたが何をか言わんやだ。
お願いだからもうこれ以上、無駄な自己満足マーキングはやめて

2020.5.29(金)
西丹沢VC[6:50]…つつじ新道…・855…東沢林道…棚沢橋[8:05]…本棚沢遡行…涸棚落口[11:00~11:15]…右岸尾根…檜洞丸[12:15]…石棚山稜…テシロノ頭[12:55]…石棚沢右岸尾根…・1065[13:38]…東沢[14:23]…西丹沢VC[14:40]
《今回のルート図》
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