下流の険しさは“川”といった印象などないところである。
それでも、牧馬大滝を眺めるだけなら、出合を少しさかのぼって観られるのだが、
その先にある滝を観ようと思うとそう簡単にはいかない。
何度か訪れている沢だが、紅葉の頃が綺麗そうな牧馬沢の滝と牧馬大滝を巡り、
少し足を延ばして石砂山までいってみようと思う。
県道518号の路肩スペースに車を置いたら、
集落の中を流れる仲沢川の上流に回り込み、適当なところから降りてみると
ちょうどそこが滝の落口だった。

この滝は牧馬大滝から続くゴルジュ最後のF4。
左岸に垂れた古いロープがあったのでつかまり、滝下へ降りていく。
F4、落差は7mぐらいかな…

急な流れではないが深い谷間、少し下っていくとナメ床になって先が切れている。
F3の落口にでた。

落差は12,3mといったところか、
右岸からザレ場をトラバースしてF3の下へ。
しばらく雨がないので水流が細く若干物足りないが流麗な眺めだ。

続いてさらに下流側にあるF2、落差は10mほどだがこの滝は少しやっかいだ。
下から眺めるには左岸の垂直な崖を20mほど降りなければならず
チョン切れたスリングがあるだけなので怖くて降りられない。
持参したロープをだし、確保しながら慎重に降りていく。
本来なら真ん中にもう一本水流があり、三条のF3のはずだが、
水量が少ないためか二条になっていた。

F2に残置してきたロープを登り、F3を巻いて落口にでたら、
左岸の尾根伝いに県道まで戻り、迂回して牧馬大滝へ向かう。
面倒くさいが仕方がない。
牧馬大滝入口となる道志川の吊橋北側から、
ガレに埋もれて伏流になった沢の中を10分ほど遡って行くと、
断崖絶壁に囲まれたドン詰まりの谷底に牧馬大滝があらわれ水流がほとばしる。
見ための落差は15mぐらいか…
上部にゆるい傾斜の見えない部分があり、実質落差は20mぐらいだろう。

さて、予想以上に滝巡りで時間をくってしまったがまだ時間は早い、
少し歩き足りないので石砂山を回って戻ることにした。
道志川の吊橋の北側から、西の石砂山まで続く尾根の末端から作業径路に取り付く。
この尾根筋、とくに危険なところもなく高々標高400m前後の尾根並みながら、
油断していると引き込まれそうな尾根の分岐があり、地図読みが楽しめて面白し尾根だ。
標高577mの石砂山からは焼山がずいぶん大きくみえる。

石砂山から最短の尾根どおしに牧馬峠まで歩いて行こうと思ったのだが、
この尾根の下り口がわからない。
仕方がないのでコンパスでしっかり方向を確認し、斜面を強行突破していく。
尾根に乗ってしまえば歩きやすく、途中から径路もあらわれるので問題なし、
分岐を確認しながら牧馬峠にたどり着き、
あとはのんびり県道を戻るだけだである。
低山の里山と言えども侮れないこの山域、久しぶりにピリ辛刺激もあり、短い周回ながら満足。
きょうは欲張らず早帰りして、3時に🍺しよう。
県道518号 青馬橋牧馬峠間の駐車余地[7:15]…牧馬沢滝巡り…牧馬大滝[10:15]…牧馬沢右岸尾根取付き[10:30]…石砂山[12:30]…牧馬峠[13:15]…駐車地[13:40]
2020.12.1(火)
《今回のルート図》
この記事へのコメント
ardbeg
3日違いの牧馬沢ですね、良い沢でした。
過去にイガイガさんのレポを拝見して大滝の雰囲気など素晴らしいなと思ってましたが、食わず嫌いで損をしていました。
イガイガ
最近ニアミスすれ違いが多いなぁ…
不法廃棄ゴミがなければもっとイイ沢なんですけどね。