淡い期待をいだいて県のホームページをのぞいてみた。
すると「裏丹沢渓流マス釣場(起点から5.5km)から先は、
山腹斜面に新たな地割れが見つかったことから、大規模崩落の危険があるため、
当面の間歩行者を含め通行できません」だって。
神ノ川流域の山遊びは、まだまだ遠いようである。
現在でも県道や林道の閉鎖が多い丹沢山塊、
遊び場が制約され困ったものだが、遊べる範囲で遊ぶしかない。
神ノ川林道も日陰沢橋まではムリでも、エビラ沢橋までなら通行可能だ。
ならばと、エビラ沢を訪れ滝見遊山を楽しむことにした。
エビラ沢橋横の観瀑広場は、
数年前の台風で濁流に呑まれてから閉鎖中なので止められない。
砂利トラも通るので通行の妨げにならないよう、
路肩のすみに車を置いて出発した。
落差は15mぐらいかな。
出合のF1を眺めてから左手に回り込み巻いていく。
巻き道は崩落ぎみだが、
かろうじて残っているハシゴとトラロープを頼りに取り付く。
ジグザグの径路を登って滝上にでたら、
少し先から沢に降り、落口まで戻って回りこんだ。
林道からも見える上段6m滝の上から落口の釜を見下ろす。
すぐうしろにあるゴルジュの中の3m滝と続く左が半壊した堰堤。
出合のゴルジュを観察したらあらためて遡行開始。
適度な滝が適度な間隔で続き、快適に越えていく。
岩盤をふさぐように立つ菅平(スゲダイラ)堰堤。
内務省時代の資料をみるとエビラ沢は菅平沢と表記されている。
左岸の不安定なザレ場を登って岩場を横切り越えていく。
菅平堰堤を越えると広く平坦なゴーロになり、しばらくゴーロ歩きが続く。
なかなか標高があがらず長く感じるが、ようやく滝場があらわれ最初の滝。
左壁に垂れている残置シュリンゲにつられて取り付くと、
ハングした大岩にザックがひっかかり下をくぐれない。
ヘタするとバランスをくずして、深い釜にドボンなのでやめたほうが無難だ。
面倒でも、右のザレ斜面にあるトラロープを利用して巻いた方が賢明である。
続く滝を眺めながら左岸をトラバース。
このあたりは無理なく越えられる滝が続いている。
二条の4m滝は左の涸棚状のところをよじって越えた。
ここは左端から越えたかな。
問題なし。
そして白滝。
2mの小滝を前衛に、20mほどの落差で伝い落ちている。
越えるには、左岸側から木の根をつかんで斜面を登り、
バンドを伝って尾根を乗っ越したら落口に降りていく。
またしばらくゴーロ歩きをはさんで連瀑帯。
全部の滝を撮っていたわけではないけどキリがなくなってきたぞ。
乾いていれば登れそうだが、滑りそうなので右から巻く。
ここは右から高巻いて越える。
そして、てこずった記憶のある最後の滝場入口となる、
黒光りするゴツゴツ岩の12m滝。
滝の上まで続くバンドが左右にあるのだが、
左はもろそうだし、右は滑りそうでいやらしい。
ヘタクソには確保なしでのチャレンジするのは怖いので
あえて危険は冒さず、右から高巻くことにした。
右手から押し出されたガレ場を登り、
登りきったところから、木の根や灌木をつかみ斜面をサル登りしていく。
12m滝の先にも滝はいくつか続いているのだが、
この左岸ルートに取り付くと、しばらくは沢に戻れない。
近くでは眺められないので遠目で見ながらスルーすることになる。
標高差にして100mぐらいは登っただろうか、
かなりの高さを登って滝場が終わったところで安全に沢に降りていく。
すでに水流はチョロチョロ、
堰堤のように見えた涸棚の岩壁の前で水は涸れた。
この古い石積堰堤が現れると沢も終盤なのだが、
とにかくエビラ沢の流程は長く、なかなか稜線にたどりつけない。
だんだん急峻になる沢の中を袖平山目指して登っていく。
ある程度登ったところから右岸に取り付き、
袖平山から北西に延びる袖平尾根に上がる。
余裕があったら山頂を踏むつもりでいたが、
思った以上に時間がかかったのでこのまま下山することにした。
1141m標高点までは問題なく快適な下り、
その先1050m付近と1000m付近は間違いやすいので方向確認必須だ。
722mピークの南東鞍部からは、
西側の山腹を巻いて出合に戻る径路をたどったが
一部崩落していて行く先を見失った。
とはいえ、エビラ沢の右岸にいることは分かっているので、
適当にトラバースしながらたどっていき、
少々余計に時間をくったがエビラ沢橋に戻ってきた。
行きは7時間以上もかかって帰りは2時間弱、
やっぱり沢歩きはきついわ…
でも、そのぶん楽しいけどね ♪
2021.03.20(土)
エビラ沢橋[6:50]…エビラ沢の滝(F1)…落口[7:18]…エビラ沢遡行開始[]…菅平堰堤[8:23]…白滝[10:14]…(930m)12m滝[12:07]…石積堰堤(1130m)[13:07]…袖平尾根(1330m)[14:02]…エビラ沢橋[15:52]
《今回のルート図》
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