気のゆるみがあったのか、あやまって滝から滑落してしまい、
左足首を骨折してしまったことがあった。
そのときは自力で沢から脱出して、
ビッコひきひき2㎞ほどの山道を歩いて戻ってきたのだが、
今思えば、ずいぶん無茶なことをしたものだなと我ながらあきれてしまう。
それ以来、寄沢のゴルジュを訪れていないのだが、
ここには「イイハシの大滝」と呼ばれている丹沢屈指の大滝があり、
メジャーな登山道から近いワリには訪れる者もなく知名度は低い。
へそ曲がりは、こういう滝が大好物、滝の全貌を眺めるのもむずかしく、
きょうは全体が見渡せる場所を見つけて観瀑してみようと思う。
水棚沢の出合をすぎ、広大なゴーロを何度か徒渉しながら
山ノ神渡ノ沢の先で左岸に渡る登山道を見送り、
沢伝いをそのまま進んでいくと左に直角に曲った沢の奥に
勢いよく吐き出される水流がみえる。
斜瀑のF1(10m)

ここで沢筋は90度右に曲がり
滝下までいってのぞかないと流れ全体はみえない

うまい人なら右の壁を簡単によじ登りそうだがオレには無理、
リスクありあり、少し右手の岩壁に垂れていたトラロープを頼りによじ登り越えていく。
沢に降りたらお決まりF1落口訪問。

F1の先は深い渓谷。

F2(4m)
ここは左のバンドから簡単に越えられる。

続いて10年前に滑り落ちたF3(4m)
落差はたいしたことないのだが当時は滝の下に水が溜まっておらず、
落ちたときの衝撃はけっこうきつかった。
あのとき以来の訪問、
よくぞここから痛い足をひきずり、沢をくだったもんだなぁと感慨深い。

F3を越えると、丹沢最大級のイイハシの大滝に対面できるのだが、
このF3はとっつきにくく、けっこうてこずる。
落ちたときのトラウマもあるので無理はせず、F1の上まで戻って巻いていく。
左岸を巻きながら撮ったイイハシの大滝の下段。
三段45mといわれているけど全体の落差は五段60m以上はあると思う。

中段から上段にかけて、全貌をいっぺんに撮るのは不可能。

そしてイイハシの大滝の落口からのぞきこむ。
滝下から落口が見えないのは当然だが落口からも滝下は見えない。

落口に続いて二条3m

3mナメ滝を挟んで続く5m滝。

もちろん沢はこの先も続いているが、寄沢の核心部はここまで。
山歩きをここでやめたわけではないが、沢の深追いせず沢歩き滝探訪はここまでです。
2021.05.26(水)
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