夏だ!それいけ小川谷

神奈川県を離れ、次なる人生を山形県で暮らすことに決めたM氏。
先日、山の仲間たちで送別会を行なったばかりだが、本格的に移住する日はもう少し先とのこと、ならば丹沢最後の夏を満喫しようと、沢登りで人気の高い小川谷廊下を遡行することになった。
そんなわけで本日のメンバーは、主賓のM氏、主催のレガーさん、そしてオマケのイガイガである。

小川谷は単独で何度か歩いているが、最後に訪れた2年前は無念の途中敗退、濡れたくない季節だったこともあったが、体力の低下を実感したというのが本音かな…
いずれリベンジしたいと思いながらも、やっぱり一人じゃ厳しいなと躊躇していたところだったので、今回のグッドタイミングのお誘いは、まさに渡りに舟であった。

仲ノ沢林道の終点まで車で入れたころがなつかしいが、出発は玄倉の無料駐車場。
いつもはひとりで黙々と歩くことの多い林道も、三人で歩けばアッという間、
うっかり小川谷への下降路を通りすぎてしまい、気が付くと路傍に見慣れぬケルンが…
ん?ここからも降りられるのかいな?なんていらぬことを考えたのが大間違い。結局、余計なアルバイトをしてただ疲れただけ、本来のルートにもどって小川谷に下降した。

ちょうど朝日が差し込んで、幻想的な眺めの小川谷廊下の入口となるF1が出迎える。
まずは小手調べ、思い思いによじ登って越えていく。

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でっかいチョックストンが沢をふさぎ、行く手を阻むF2
一般的なルートは、大岩右の合間をよじ登るのだが、足場になる倒木も手がかりとなる残置ロープもなく文字通り手も足も出ない。そうなると、たかが3mといえどヘナチョコには難敵だ。もちろん、両岸は切り立った崖なので巻きのルートはない。
しかたがないので投げ縄チャレンジ。何度も失敗しながら、ようやくロープがひっかかりレガーさんがゴボウ登りで果敢にアタック。あとは体を引き上げてもらい、這い上がって越えたがもうヘトヘトだ。
写真じゃどうってことなく見えるけど、ここが核心だよやっぱり…

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難攻不落のF2を越えてひと安心、
続くF3は滝下の淵を横切って左壁に取り付き、よじ登って越える。

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もうシャワーは浴びたし、アドレナリンも出まくっているので怖いものなし。
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ルンルンでF4までくると、先行していた沢登り講習のグループにでくわした。
うわぁ~大所帯💦
まだまだ時間がかかりそうなので、しばらく眺めながら順番待ち。

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見学しながら全員登り終えるのを待ち、左の壁を登って越えたらここで先に行かせてもらう。
途中から眺めたF4の落口、ここもルートらしいけど水流に飛ばされそう…

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やっぱり、夏の小川谷は楽しめる。
沢は綺麗で沢遊びのアトラクションが豊富とあっては、人気があるのも当然だな。

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落差2mほどの幅広の滝だけど、ここだって簡単じゃないよ。
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ゴルジュは躊躇なくジャブジャブ
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攻め方を悩むような滝も必ずどこかに弱点あり
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ここは水流の裏が通れる裏見の滝
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通称 “つるつる大岩”
かつては大岩の右横がゴーロで詰まっていて通れず、平たく滑る大岩をよじ登って越えていたが、今はゴーロが濁流に押し流され通れるようになった。

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右側のトンネル状を、腰までつかってくぐり抜けていく。
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小川谷にはめずらしいナメに癒やされる。
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側壁のへつり。スタンスは豊富だけどもちろん落ちれば深い淵。
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そうだ思い出した! 前回遡行をあきらめたのはここだった。
行こうと思えば行けたと思うが弱気になると最後の一歩がでず、ドボンがいやで引き返した。

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レガーさん先行、おかげで今回はスムーズ😊
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ここら一連のゴルジュは見応えがあり実に美渓だ
なごむな~

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危なっかしくみえるトラバースも何のその。
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ゴルジュの先に見えてきた石棚の勇壮な姿、
思わず見惚れてしまう。

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危ない滝登りは本職にまかせて、よい子は右岸側の岸壁を登って越える。
ホールドスタンスは豊富だが、ルートを見誤ると詰まることもあるので注意。

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石棚を越えると、小川谷の終了地点が間近なような気になってしまうのはなぜだろう…
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実際はまだまだ先なんだけど、きっとゴルジュを抜けだし、
石棚を越えて緊張から解き放たれたことが、そう思わせるんだろうな。

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アドレナリン出まくりの沢も醍醐味だけど、ドーパミンに包まれる沢も魅力だな♪
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いよいよフィナーレ。
この滝を越えて奥に見える左半分が壊れた堰堤をくぐれば、
陽光まぶしいゴーロにでて本日の沢遊びも終了である。

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「ヘ~イ、小川谷完歩やったぜ
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コンパクトで美渓、沢遊びの要素もたっぷり、きつい沢のツメもなく、下山ルートも確立されているとなれば、初級の沢として人気があるのもよくわかる。
マイナス点を言えば、昔はいなかったヒルがでるようになったことだが、東の沢にくらべればカワイイものである。

欅平
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中ノ沢径路
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東沢出合で休憩後、欅平に上がり歩きやすくなった中ノ沢径路から長い林道歩きで玄倉へ。
いや~小川谷、やっぱり楽しいね~
忘れかけた沢心がよみがえり、また悪い遊びが復活しそうだよ😁

2022.07.31(日)
玄倉P[6:15]…玄倉林道~仲ノ沢林道…小川谷F1[7:55]…小川谷廊下遡行…石棚[10:35]…最後の半壊堰堤[11:45]…東沢出合でランチブレイク…欅平[12:15]…中ノ沢径路…仲ノ沢林道…玄倉P[14:25]

この記事へのコメント

  • レガー

    イガイガさん
    ありがとうございました。
    今回まさかの小川谷希望♪
    私も一人では近づき難い場所です。
    丹沢を知り尽くしたお二人と一緒でしたので、
    果敢に攻めることが出来ました(^^♪

    久しぶりに夏らしい丹沢歩きを満喫出来ました。
    仰るように、F2の攻略が核心部でしたね。
    しかしあの達成感、私も忘れかけてたものが
    蘇ってきました。
    今季にもう一本、宜しくお願い致します。
    2022年08月05日 12:16
  • イガイガ

    レガーさん
    こちらこそありがとうございました。
    完歩は諦めていた小川谷、
    レガーさんがいなかったら間違いなくF2で逃げ帰ってましたね。
    年寄りの冷や水と揶揄されそうですが、冷や水は気持ちよく、
    ホント楽しかったです

    今季もう一本、こちらこそ望むところです?
    2022年08月05日 15:07
  • shiro

    楽しそうですねェ~
    記事から楽しさが伝わってきて、何故かこっちまで楽しい気分になりました。
    そしてイガイガさんの「忘れかけた沢心がよみがえり、また悪い遊びが復活しそうだよ」の言葉に嬉しくなりました。
    イガイガさんの悪い遊びの記事、これからも楽しみにしています!
    2022年08月07日 14:05
  • イガイガ

    shiroさん
    久しぶりに、脳細胞が活発化するような沢遊びができて楽しめましたが、気持ちと裏腹に体がついていかないのは何とももどかしいですね?
    まあ、ワルジジイぶりはもう少し発揮できるかとは思いますが、なんせウェブリブログの寿命があと半年、お引っ越し予定もないのでなんとも…
    2022年08月08日 16:44

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