近頃、行き詰まった感のある山遊びなのだが、久しぶりに課題をもらうと気合いがちがう。さっそく早戸川まで出掛け現況を確認してくることにした。もちろん、わざわざ本谷沢まで出掛けてきて、早戸大滝に寄らないというのもなんなので、今年の氷瀑度合をしっかり確認してくるつもりである。
当然、早戸川林道のゲートはシャットアウト
冬期に限らず、林道の復旧工事が終わっても開放されることはなさそうである

令和元年に被災し、路体が流失して路肩と擁壁だけになった箇所
ガードレールにつかまって蟹の横ばいで通過した困難箇所だったが修復された

山陰になる三日月橋の先は例年ならツルツルだが、靴跡が残る程度の1~2㎝の積雪
魚止橋は陽が射すのでもこんなもん

いつ倒壊してもおかしくない造林小屋、ていうかすでに半壊

早戸川左岸の水平回廊随一の難所 恐怖の一本橋渡り💦

雷平はこんな感じ、きょうの本題はここから

雷平からいくぶん雪もふえてきたが、この時季にしてはたいした積雪じゃない
とはいえ、体力の衰えが著しい昨今、沢歩きの雪踏みはジワジワと効いてくるなぁ…
なんて弱気になりかけたころで、河原の中に何かあるのが目に入った(写真中央)

最初は、先行者がザックを置いて近くで休んでいるのかと思ったが、周りに誰もいない。
確認してみると、これって仏像とか経巻などを安置しておく厨子じゃないの…
扉が開いていたので失礼して中を拝見すると、
牛というよりは水牛っぽい動物に跨がった髭もじゃ鍾馗さま似の木象と御札が安置されている。
なんでこんな場違いなものがここに…

👉 拡大
あっそうか、ボケっと歩いていたので通りすぎるところだったけど、ここって謎の祠の下じゃん。
さっそく突き出た崖の上にある祠がどうなったのか確認に斜面を登ってみると、ありゃないぞ!
銀色の鳥居の後ろには祠があったのだがなくなっている。

👉 在りし日の祠(2016.10)
狭い崖の上なので、祠ごと地面が崩落したのかと思ったが、台座はちゃんと残っている。
上物の祠だけがなくなっているので、おそらく強風に吹き飛ばされたのだろう。

崖から転げ落ちたのなら、沢の中に祠の本体があるのではないかと思い、周辺を探ってみたがそれらしい物は見つからなかった。もちろん流されたことも考えられるが、だとしたら下流から溯ってきたので、何かしらそれらしい遺物を見てもおかしくないはずだ。
もしかすると転げ落ちずに斜面の途中にひっかかっているのではないかと思い崖を見上げると、案の定、斜面の中ほどに祠がひっかかっていた(○印内)

これで何となく納得した。
先に添付した画像は2016年のものだが、その後も2、3回は存在を確認している。
令和元年に丹沢の山々を破壊しまくった台風19号以来、大きな被害をもたらした台風はきていない。この暴れまくった台風の直後に早戸川を訪れたときは、あまりの変貌ぶりに驚いた記憶がある。私見ではあるが、このときの強風に耐えられず、吹き飛ばされた祠が崖に引っかかり、数年たつうち扉が開いて中の厨子が河原に転げ落ちたのではないかと思うのだがどうだろうか。
※後日ardbegさんから報告をもらい、やはり祠本体も河原に転落していたそうです
どこに目をつけてんだろ…
普段ならこちらがメインだが、きょうはオマケの画像になった早戸大滝のセミ氷瀑
完全結氷した早戸大滝はここ十年くらい見たことがなく今回も氷の裏側は水流

落口も凍っておらず水溜まり

ほんとうはもっと欲張って歩くつもりでいたけれど、けっこう消耗したのできょうはこれまで。
帰りは大滝落口から1160mまで登り、北の1056mを経由して瀬戸沢の出合まで延びる尾根をくだったが、毎回歩いても1056に向かうところで間違いそうになる。ここされ注意すれば、1056からは径路があらわれ、瀬戸沢の出合まで導いてくれるので問題なし。あとは早戸川を渡り左岸の径路に上がるところさえ見つけられれば、ゴーロ歩きも、無駄な徒渉や危険な一本橋渡りもなく伝道まで戻ってこられるので、単なるピストン歩き嫌いにはもってこい。ただし残念ながら、最後の長い林道歩きは辛抱である。
2023.1.29(日)
早戸川林道…魚止橋…伝道…雷平…謎の祠の周辺
探索…早戸大滝…大滝落口…1056経由で瀬戸沢左岸…伝道…早戸川林道
探索…早戸大滝…大滝落口…1056経由で瀬戸沢左岸…伝道…早戸川林道
この記事へのコメント
M氏
てっきり先の豪雨で斜面ごと流されてしまったのかと
思っていましたが違ったようですね、
それにしても残念です。
祠のあった場所から考えて大ゴリョウ沢の謂れと関係が
有るのではないかと推理していたのですが?
お札は何処のお札でしょうか?
以降の推察楽しみにしています。
もう調べているんでしょうが意外な事実が!!
また一つ謎が明かされるのを楽しみにしています。
イガイガ
探索マニアが遠くに行ってしまって一緒にいけないのが残念です。
大雪のあと、二人で大滝めざしたときのことを
思い出しながら歩いてましたよ。
厨子内の拡大写真を添付しておきましたので
何か解読できたら教えてください。
ardbeg
土曜日に先乗りするつもりが情けない敗退でした
デンデン太鼓模様の祠本体も河原に落ちているらしいのですが、見つかりませんでしたか
また行く予定があれば誘って下さい
イガイガ
ブログに書きましたが本体は斜面にひっかかっているように見えました。
そばにいって確認したわけではないので、
もしかすると屋根だけだったのかもしれませんね。
タイヤ履き替えたら一緒にいきましょうか😉