広沢寺駐車場を出発、二の足林道を不動尻にむかい大山方面の登山路を登っていく。唐沢峠にはときどき来ているが、いつも山腹を巻いて大山方面に向かうため、唐沢ノ頭は久しぶりである。
唐沢ノ頭に登る途中、740m付近でみかけたモミ

唐沢ノ頭から北の三峰山方面に続く山稜を歩きながら望むギザギザ稜線(境界尾根)
帰りはあそこを下ることにしよう。

唐沢ノ頭をいったん北に下り、本日の目的地865mピークの標高差50mほどを登り返していると頂のすぐ下あたりの斜面に、しがみつくように立っている古木があらわれた。もちろん何度か歩いたことのある場所だが、まだ樹木に対する知識が低かった頃なので気づかずスルーしていたようだ。
こんな立派な古木を見過ごしていたとは…

はて何の木だろう?
樹種を特定しようと近づいて観察してみると、特徴的な樹皮の具合や常緑の葉から推定して「アカガシ」であることが判明した。本間ノ頭南東尾根のアカガシが丹沢一ではないかと思っていたが、このアカガシも負けず劣らず立派で優劣つけがたい。

机の上より現地を歩くのが一番、やはり特徴的な樫の木があった。
この樫が由来の木であることは間違いなさそうだが、はたして「フダカシ」とはどういう意味だろう。木の呼び方には地方特有のものもあるので、もしかすると丹沢固有の名称なのかもしれない。そのあたりは帰ってから調べてみる必要がありそうである。
家に戻ってからさっそく調べてみたが、アカガシの別名ではなさそうである。「あつぎの地名」に何かヒントになる記述がないか見落としがあったかもしれないので、あらためて読み返してみた…
アレッちゃんと書いてあるじゃん!
謎はあっけなく解決、短い説明文なのでそのまま引用すると…
"フダカシ 大きな樫の木があり、修験者が札をかけた。”
だってさ。分かってしまえばな~んだだけど、これでスッキリ。
相変わらずおつむは空洞、目は節穴でイヤになってしまうが、
おかげで課題は解決、またひとつ古木に巡り合えて儲けものでした。
この山稜で出合った気になる針葉樹
ツガ、モミ、カヤは慣れないと判別しにくいけど、これはツガ。

こちらはモミ、上の写真と同じじゃないよ。

アカマツは分かりやすいね。

七沢山に上がり、境界尾根を下りだすとすぐに男女二人組とすれ違った。どこから上がってきたのか聞いてみると不動尻のつどいの沢右岸を登ってきたそうだ。きびしいところをお疲れさまでした。

その後は境界の石柱をたどりながら稜線の難所が一段落したあたりで、今度は単独の女性と出くわした。この領域を歩く人の雰囲気とは少し違ったので声をかけてみると、尾根末端の大小屋沢出合いから取り付いたという。この先もっときつくなるけど大丈夫かな…
境界尾根440m付近のケヤキ

谷太郎林道終点まで降りてきた。さあここからどうしよう…
谷太郎川沿いを不動尻にすすみ、二の足林道を戻れば一番ラクなのは分かっているけど、歩いた軌跡が重なるのはあまり好きじゃない。ここはあえて苦行を選択、鐘ヶ嶽越えに挑戦である。
地形図には一応破線が記されているが、こんなところに道などあるわけないだろうと思いながら取り付いた。案の定、初め少し踏み跡がついていただけですぐに鹿柵に阻まれた。しかし古い鹿柵の宿命、倒れた合間を越えていく。あとは標高差300mほどを試練の直登、ようやく鐘ヶ嶽に登り着いてほっと一息である。浅間神社をお参りしたあとは真面目に浅間ミチを下り、広沢寺の無料駐車場に戻って本日の山遊びは終了である。
2023.2.18(木)
広沢寺駐車場【6:30】…二の足林道…不動尻【7:30】…唐沢ノ頭【8:23】…フダカシ…七沢山【9:25】…大小屋沢右岸尾根(境界尾根)…谷太郞林道終点【11:07】…浅間裏…鐘ヶ嶽【12:10】…浅間ミチ…広沢寺駐車場【13:00】
《今回のルート図》
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