本棚沢コラボに参加できなかったardbegさんとnenetaさん、
きっと凹んでいるだろうと、ardbegさんに連絡をとり、事の顛末を聞いているうち、
気晴らしの沢遊びでもいきますかという話になった。
短い沢だし、昼までには戻ってこれるよ、なんて気楽に誘ったのが寺ノ沢。
それが想定外の難行苦行の連続で四苦八苦、舐めていたつもりはないんだけどね...
久しぶりに訪れた寺ノ沢は、しょっぱかった。
寺ノ沢と聞いてすぐに分かる人は、丹沢マニア認定だと思うけど、
沢好き以外には、あまり知られていないだろう。
丹沢湖の西岸から、世附の権現山に突き上げる短い沢である。
永歳橋を渡って落合隧道を抜け、最初の駐車地、東沢Pに車を止めて出発。

5分歩いて寺ノ沢橋から左岸沿いに入っていくと、
かつてあった左岸の径路も、崩れかけて曖昧になり分かりづらい。
沢に降りて歩いていくが、倒木や落石が多く、
以前に来たときより、ずいぶん荒れた印象になった。
そして、東丹沢ほどではないが、
今までは全く気にすることのなかったヤマビルが忍び寄るようになり
気が抜けなくなった。

行く手を阻むこの堰堤、
右手の岩壁に心許ない残置ロープがあり、つかんで這い上がる。
(ardbegさん提供画像)

倒木をくぐり抜けヨッコイショ

420m右岸の支流に立派な連瀑

つられて入ってみたが登れず。

本流に戻って堰堤を越えると440mの二俣になる。
左俣のF1を眺めるためゴルジュに突入する。

(ardbegさん提供画像)

豪快に水を落とす落差15m左俣F1

もちろんこの滝は観るだけ。
二俣に戻り、右俣との中間尾根にかすかに残る巡視径路を追って登っていく。
後半はトラロープ付き巻き道になり、F1落口を越えた堰堤の先で下降する。

そして西丹沢を横断する導水管が沢を横切る地点、半分ぐらい埋まっていた。

一番の最難関となった最上段が石積堰堤の滝場

一段目は水流の際が登れるので大丈夫だが、二段目はハングっていて登れない。
さあ、どうしよう・・・

右岸はどうみてもダメそう。
左岸に取り付いて、どうにか越えようともがいているうち
詰まってしまいセミになってしまった。
足もとが危うくて身動きできず、泣きのロープをardbegに投げてもらい脱出、
なんともトホホの事態になってしまった😥
結局、ここを越えるだけでけっこうな時間を費やしてしまったが、
以前はどうやって越えたんだったかな、苦労した記憶はないんだけど…
(ardbegさん提供画像)

かなりの高巻きをして、なんとか沢に戻ってきた。
たいして歩いていないんだけど、もうヘロヘロだよ。
少し休憩して遡行再開、
もう困難な滝はでてこないだろうな、なんて呑気に歩いていたら
遠くに難しそうな滝が見えてきた。

近づくとこんな感じ…
遠目には越せるかどうか不安だったけど、
左の水流際が登れるので問題なし。

滝はまだまだ続く。
nenetaさん躊躇なく左からヒョイヒョイ、オレは右からヨッコラショ
(ardbegさん提供画像2枚)


お~またデッカいのが現れたぞ。
落差20m以上ありそうな斜瀑だ。

誤って滑ったらウォータースライダーなので、もちろん登りません。
少し手前の左手にトラロープが垂れているのが見えたが、
つられて取り付くとドツボにはまりそうでアヤシイ…
右手のザレ場が行けそうなので
這いつくばって登っていくとトラロープが現れた。
それを頼りに斜面を登っていく。

トラロープは手すりのようにずっと続き
最後はそれを頼りに沢へ下降する。

降りたところは、これからますます等高線が狭まってくる辺り。
沢があちこちから入り込み、本流はどれか正解が分からない。
まあ、どこを登っても苦労するのは間違いなさそうなので、
とりあえず一番右をいくことにした。

ガレに埋れた沢筋を登って行くと、正面に崩壊地が見えてきた。
沢とは呼べないガレの溝になっても、とにかく我慢の登りが続く。
脚が上がらなくなって、二人にはどんどん置いて行かれるので、
途中から左の斜面に逃げ斜面を登ったが、
最後までツメにこだわったardbegさんとnenetaさん、
泥の雨裂と化した溝の中を突き当たるまで登り、
最後はアリ地獄状態になってもがいてました😁

なんやかんやで、やっとこ権現山の南東側の登山道まであがってきた。
とにかくもうヘロヘロだ。
下山は、661m標高点までは登山道をたどり、
そこからルートを外れて南西に下り、
落合隧道西側の新土沢橋左岸に降りていくことにした。

何ごともなく下っていくずだったが、最後に方向を読み違えてルートを外し、
余計な体力を使ってしまった。
何とかリカバリーして、無事に戻ってきたのでご愛敬かな。

ardbegさんとnenetaさんには、楽勝の沢だから物足りないよなんてウソついたけど、
以前の寺ノ沢の印象とあまりに違ったので、家に帰って13年前の自分の記録を読み返してみた。
出発時間は一時間早かったが歩いたルートはほぼ同じで、
最後に詰めた場所は権現山の東側だった。
それでも昼前に下山していたので、体力の低下は如何ともしがたいってことかな。
でも、やっぱり沢歩きは楽しいね。
2023.6.10(土)
東沢P【7:13】…寺ノ沢橋【7:17】…440m二俣【8:15】…左俣F1【8:20】…導水管取水塔【9:06】…20m斜瀑【10:48】…権現山南東側稜線【12:55】…・756【13:26】…・661【13:50】…新土沢橋【14:44】…東沢P【14:50】
《今回のルート図》
この記事へのコメント
ardbeg
体力、気力、技術の衰えは如何ともしがたく
以前に比べればトホホな内容かもしれませんが
とっても楽しかったのは間違いありません
懲りずにまたよろしくお願いします
イガイガ
これがまた楽しいんだよなぁ、なぜか。
イイ歳して何やってんだ、
なんてバッシングされない程度に、もう少し頑張ります(笑)
できるかな...