今回の行き先は静岡県境の湯船山稜を源に、世附川支流の土沢左岸に流下する雷沢である。
短く急峻な沢だけに、滝が詰まった連瀑帯は見応えがあり素晴らしい。
沢の後半は凡庸なのでやや間延びするが、前半の核心部だけでも十分に楽しめる沢である。
夜半の雨もあがり天気は回復、きょうも快適な沢歩きが楽しめそうだ。
懸念された明神峠の駐車場所も確保ができひと安心、
さっそく支度を終えて出発する。

明神峠のゲート横から湯船山稜に上がり、朝の静けさが残る稜線を行く。

稜線南側、小山町から箱根方面にかけての眺め。

朝早くまだ怠い体にムチうちながら、1時間ちょっとで白嵓ノ頭(シラクラノアタマ)に着いた。

白嵓ノ頭から北東に下って登山道を離れ、雷沢右岸尾根を下降していく。

そのまま土沢左岸の雷沢出合まで降りていく。

無理して沢に降りてしまうと、出合手前の深い釜を泳がないと渡れそうにない。
左岸の20mほど上にある崩れかけた土沢歩道をトラバースして雷沢へ。

沢に降りて最初に出合う4mの滝。
本当は右の大岩の裏から回り込めば簡単に登れるのだが、
ardbegさん、あえて滝際から小手調べ。

続くF2の5mも右から越せるのだが、ardbeg さんここも水流登り、
つられたnenetaさんも水際を登ったが、オレは右から軟弱越え。

しばらく岩床と苔むしたゴーロの中を乗り越えていくと…

640mで少し開けた滝広場的な三俣になった。
少し奥まった右俣を覗いてみると、末広がりに流れる優美な10m滝が落ちている。

左俣はかなり高いところから多段の滝になって流れ落ちてくるが、
地形図を見ると右岸尾根から続く短い沢のようだ。

そして本流の中俣に足を踏み入れると、
目の前に稲妻のようなジグザグの流れが現れ、
連なる滝が迫力の眺めだ。

そして少し面倒なこの滝、
確か以前は左から巻いたと思うけど右も行けそうだな…
なんて言ってるうちに、ardbegさん躊躇なく中央突破のシャワークライム。

nenetaさんもロープをもらい、飛沫を気にせず水浴びクライム。
不肖イガイガ、夏場の沢の醍醐味とばかり、
水流に取り付き攀じ登るも当然濡れネズミ…さぶぅ~

この沢で一番落差がありそうな中俣の15m滝。
上にも滝が続いているが下からは見えない。

さすがに登れないので、ここは右の右俣との中間尾根に上がり痩せた脆い尾根伝いを登る。
写真は途中から見る15m滝、15m以上あるように見える。

木が邪魔して写真にならないが、右下の右俣を覗いてみると、
釜をもった滝が連続していてすごい眺めだ。

この右俣と中俣の中間尾根、
上部がナイフエッジのようで浮き石もあり気が抜けない。
付け根の壁は灌木につかまり、這い上がったら左にトラバースして、
15m滝に続く連瀑の上で沢に復帰する。

上の写真では難しそうに見えるが、もう面倒なところはなく、
残る2、3の滝も比較的らくに越えられる。


これが最後の滝だったかな。(ardbegさん提供画像)

最後の滝を過ぎると平凡な渓相になり、
倒木が折り重なって行く手を阻む倒木地獄がしばらく続く。
地味な沢筋をたどっていくとさすが富士山に近いだけあって、最後は火山灰のアリ地獄、
3歩進んで2歩下がる試練の登りが続いてくたくた。

予定の位置より少しずれてしまったが、ようやく湯船山稜にたどり着いて本日の遡行も無事終了。

いつものように、沢の詰めではヒーヒーゼーゼー💦
一人遅れをとって悶絶していたが、完歩できれば稜線の風も爽やか。
きょうは早く戻れたので、3時に🍺ギリギリ間に合いそうである♪
2023.7.2(日)
明神峠【7:05】…湯船山稜…白嵓ノ頭(シラクラノアタマ)【8:20】…雷沢右岸尾根…土沢歩道【9:05】…雷沢出合…640m三俣【9:48】…中俣(本流)へ【9:54】…連瀑帯【10:49】…雷沢遡行…湯船山稜【12:30】…明神峠【13:10】
《今回のルート図》
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