堂屋敷沢

葛葉川支流の新田川上流にある堂屋敷沢、岳ノ台を源頭とする里山の沢だが、
中流域にはちょっとした滝場があり、12mの大滝があることも知ってはいた。
しかし、何となく今まで行きそびれていたのでこのままでは、
丹沢の滝好きを自負する者として名折れになってしまう。
そんなこともあり、一度訪れて12m大滝を見物してみることにした。

さて、どういうルートで巡ろうか…
車が止められて、効率的に周回できそうなルートを考え、
ヤビツ峠へ向かう途中の菜ノ花台から西の尾根伝いを向山林道までくだり、
林道が堂屋敷沢を横切る屈曲部から沢に入って表丹沢林道まで遡行しようと思い出発した。

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菜ノ花台の見晴台西側から、ヤブを掻き分け植林帯にもぐり込むとしっかり踏跡が続いている。
たどっていくと所々わかりづらいところもあるが、方角さえ間違わなければ問題ない。

南側の景色が開けたところから菩提の方面をみる。
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後半になって植林のなかをトラバースしていくうち踏跡を見失ったが、
降りようと思えばどこでも降りられそうなのでたいして気にせず、
向山林道が下に見えてきたあたりから適当にくだって林道に降り立った。

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林道に降りて歩いていると、地元のハンターらしい車が追い抜いていったのでなんかイヤな予感…
堂屋敷沢の取付きまでやって来ると、さっきの車が止まっている。
まずいな💦バッティングしたかなと思い、恐る恐るきょうの猟場を尋ねてみると、
「水を汲んでいくだけだから、この辺じゃやらないよ」との返事にひと安心。
「クマと間違われたら困るんでぇ…」と言ったら笑っていた。

これからのシーズン水曜は管理捕獲、
土曜日曜は地元ハンターに出遭うことがあるのでご用心だが、
個人的にはクマより出遭う確率の高い鉄砲撃ちのほうが怖い。

ハンターが来ないことが確認できたので安心して沢に入っていくと、
ほぼ想像したどおり、里山特有のゴチャっとした感じの沢、
3~5mぐらいの堰堤が続いている。

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左岸を巻きながら堰堤を越え、一段落したところで沢に戻ると、
ようやく何かを期待できそうな雰囲気になってきた。

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沢が左に曲がると、さっそく4mほどの滝が現れた。
予感どおり、 落差はないがなかなか感じのいい滝だ。

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少しもどって巻いていくと10mぐらいのコンクリ堰堤に行く手をさえぎられた。
左岸から巻いて沢に戻ると、今度は直径5mはありそうな大岩が沢をふさいでいる。
左は濡れそうなので右の狭い隙間から這い上がって越えた。

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2mの小滝は濡れないように気をつけながら水流の際をよじって越えた。
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ちょっと開けた、この沢で一番雰囲気のよさそうな場所に出た。
二段の滝に見えるが、手前は前衛の2m小滝、奥に6mの直瀑が落ちている。

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崩れ落ちた大岩が詰まったゴロタの滝は右岸から巻く。
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段々になったこのあたりから両岸狭まるゴルジュになり、ワクワク感が高まってくる。
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そして核心となる堂屋敷沢の大滝があらわれた。
中段に斜めったテラスがある二段の滝で、落差は12mとされているが、
実際の落差よりも大きく感じる滝だ。
周囲は切り立った深い谷底なので容易に近づけず越えるのも困難。

手前のモジャモジャがじゃまだが、足場のよい撮影場所が限られるのでご勘弁。
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高巻きも厳しそう、ここで無理してもこの先は平凡な沢筋になりそうなので、
遡行はここまでとし、左岸の尾根に上がることにした。
しかし、けっこうな急傾斜で根っ子や立ち木につかまりながら
やっとの思いで尾根に乗った。

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ここも急だが許容の範囲、登って行くと表丹沢林道にでた。
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表丹沢林道のゲート脇から県道70号に沿った三角山(600.2m)に続く尾根道へ。
車や自転車を気にしながら歩く県道よりはるかに歩きやすい。

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30分あまりで菜ノ花台に着いた。
尾根伝いから入り口の手前で県道に降りると正面に富士山。

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冬場なのでヤマビルを気にすることなく歩け、短い周回ながらけっこう楽しめた。
やっぱり思い込みの行かず嫌いはダメだなと実感。

2024.12.8(日)
菜ノ花台[7:15]…向山林道[7:50]…堂屋敷沢[8:05]…表丹沢林道[10:25]…表丹沢林道ゲート[10:32]...菜ノ花台[11:00]

《今回のルート図》

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