向山ノ頭~裸山丸~モチコシ沢ノ頭~女郎小屋ノ頭~日向山

先日、ひょんなことがキッカケで、久しぶりに花立小僧さんと呑む機会があり、積もる山話しに花が咲いて遅くまで呑みすぎてしまった。そもそも、山歩きスタイルも性格も両極端の二人、丹沢山塊を中心に他山域も幅広く踏破している正統派の花立小僧さん、偏ったヘンなところばかり歩きたがる丹沢のはみ出し者イガイガ、そんな噛み合いそうもない二人だが、実は初めてコラボしたのが17年前、玄倉奥地の女郎小屋ノ頭から裸山丸にかけての山域だった。
そんな思い出話しから広がって、花立小僧さんがやり残している拘りの一つが、裸山丸の南にあるピーク向山ノ頭がまだ踏めていないということだった。今思えば、あのときに寄り道してでも踏んでおけばよかったと後悔しきり、そんないきさつで、17年前にやり残した花立小僧さんの拘りを解消しようということになり、久々のコラボとなった。

コラボ当日は、最寄り駅で花立小僧さんをピックアップして一路玄倉へ。
途中、246の通勤渋滞につかまりそうになったが裏道で何とかこなし、
予定より少し遅れて玄倉についた。

玄倉の無料駐車場では先着車が一台だけだったが、
バス停裏の駐車場にはなぜかパトカーが集結している。
もしかして遭難者の捜索? それとも救助訓練かな?
なんてこと思いながら玄倉を出発した。

丹沢湖の向こうにヒョッコリ富士。
IGIG4604.jpg

玄倉林道を歩いていると玄倉にいたパトカーが車列をなして追い抜いていった。
このおよそ1時間後、玄倉ダムに着くと今度は戻ってきたパトカーとすれ違った。
こんな短時間、いったいどこで何してたんだろ? やっぱり気になる~

IGIG4608.jpg

玄倉林道から定点観測、女郎小屋ノ頭方面をみる。
IGIG4609.jpg

青崩隧道の中は相変わらず真っ暗闇、
一人のときは手探りで通過するが、きょうは二人なのでライト持参で通過。
これが後で役に立つことになるとは…

IGIG4612.jpg

暗闇から出ると洞門の窓から芋ノ沢ノ頭を突き刺す悪魔の爪のような長いツララがぶら下がっていた。
IGIG4613.jpg

続いて石崩隧道を抜け、玄倉川の水量を覗いてみると流れはほとんどない。
ここを降りて対岸に渡った尾根突端の岩場が本日予定の取付き地点になる。

IGIG4630.jpg

本題の前に花立小僧さんがきょうもう一つやりたいといっていた、
玄倉ダムのユーシンブルーの色具合をチェックしてみると、なんだか期待外れでパッとしない。
個人的には、ここをユーシンブルーと呼ぶには違和感あり、
やっぱり上流のユーシンあたりや熊木ダム湖のブルーがこの名にふさわしいかな。

IGIG4618.jpg

もう一つ、気になることを確認してみた。
先ほどの石崩隧道下の取付きから向山ノ頭に続く尾根は何度か登ったことがあるのだが、
玄倉第二発電所のあたりにも取付けるルートがあるらしいと聞き、近くまでいって探ってみた。
見るとほとんど垂直に近い壁で、ここからなら行けると判断できるところが見つからない。
導水管のあたりに管理道があるのかもしれないが、発電所の施設内に入るわけにもいかず、
ここからのルートは諦めて、予定どおり石崩隧道下から対岸に取付くことにした。

IGIG4622.jpg

石崩隧道まで戻り、アッチ沢が落ち合う玄倉川に下降する。
IGIG4629.jpg

抗口の横からガードレールの隙間をすり抜けると以前はなかったロープが結ばれていた。
せっかくなので使わせてもらい、岩場を下って玄倉川の対岸に渡った。
ダムの放流は行われていなかいので水はなく濡れずに渡ることができた。

IGIG4631.jpg

突端の岩場を攀じ登ると発電所関連の管理道とおぼしき古い木段があり、
お助けロープをつかんで登っていく。

IGIG4635.jpg

続いて、6~7段連結された鉄ハシゴを使って岩壁を越える。
IGIG4637.jpg

今度は絡み合った根っ子の階段、というよりハシゴが正解かな?
IGIG4638.jpg

一連のアトラクションが終わるといくぶん登りやすくなるが、比較的なのでラクなわけではない。
やがて、大きな岩が現れてくると尾根の向きが変わる地図読み840mのピークに着く。
まだここかよって感じだ…

IGIG4642.jpg

この先、地形図を見る限り広くて良さげな尾根に感じるが、840mすぐ北側の鞍部はヤセ尾根、
その先も地形図から受ける印象より急である。

ようやく富士山が望めるポイント発見、ホッとひと息。
IGIG4645.jpg

やっと向山ノ頭に到着、人の匂いのしない質素なピークである。
ピークハンターの花立小僧さんは、証拠写真が撮れないので山名板がないのは不満そうだったが、バリエーションルートにマーキングや山名板は不要と考えているイガイガ、山の歩き方が違うと考え方も違うものだなと実感。

IGIG4649.jpg

向山ノ頭で休憩したら裸山丸へ。
目の前に見えるし地図みても近いので、すぐに着きそうだがそんな甘くはないよ。

IGIG4651.jpg

最後の急登をこなし裸山丸に着いた。ここも変哲のない静かなピークだがこれが良い。
IGIG4653.jpg

続いてすぐお隣にあるモチコシ沢ノ頭へ、近いけど途中の白ザレ渡りは曲者なので要注意。

三方向に分岐するJCTピークとなるモチコシ沢ノ頭に到着。
この辺は標高も雰囲気も似たようなピークばかり、おまけに地形が入り組んでいるので進む方向を間違いやすく道迷い事例の多いところだ。一時期は不要なマーキングであふれていて鬱陶しかったが、最近は一掃されてスッキリした。テープ頼りの人、地図の読めない人は来るべからず。

IGIG4655.jpg

さあ、ここから女郎小屋ノ頭方面に向かうのだが出だしを間違うと泣きをみる。
さすがに場数を踏んだので今は迷うことはないが、そのかわり体力が衰えたので油断は禁物、
白ザレの急斜面を慎重に下っていく。

IGIG4656.jpgIGIG4657.jpg

予定した時間より遅くなったが何とか女郎小屋ノ頭に着いた。
しかし、どのピークも写真は同じようであとからの識別が難しいね。

IGIG4659.jpg

女郎小屋ノ頭から玄倉川に向かって南西に下り、930mあたりから尾根筋を外れ南東方向に向かう。進行方向に尾根が見えないのでやや不安だがコンパスを信じて下っていくと一筋の尾根形が見えてくる。あとは南にたどっていけばやがて傾斜も緩み、雰囲気のよい美尾根をすぎれば、最後の急斜面を下って日向山北側のモミの木の鞍部に降り立つことができる。

雰囲気のよい美尾根
IGIG4663.jpg
モミの木の鞍部
IGIG4664.jpg

ここは何度も来ているが、頂上を越えるにしても山腹をトラバースするにしても、
いつも柵に悩まされ納得した歩きができたことがない。

少し面倒だが確実な山頂越えルートでいくことに、
登り返した日向山から振り返り、歩いてきた裸山丸(右)から女郎小屋ノ頭(左)の方を見る。
時間は押してきているがまだ十分に青空である。

IGIG4665.jpg

日向山のてっぺん付近は相変わらず柵が錯綜していて迷路。解明するのに時間がかかったが、どうにか解き明かして日向山の南西尾根に乗った。ここまで来ればもう心配ないが、きょうはのんびりしすぎたのとすでに体力切れで日没タイムリミットがあやしくなってきた。まあ勝手知ったる場所なので迷うことはないが、女郎小屋沢の出合に降り着いたときはすでに周囲は真っ暗、久しぶりにヘッデンのお世話になった。あとは二人トボトボ、足下を照らしながら玄倉林道を下ったけど、周りの景色が見えないと玄倉までがずいぶん遠く感じた。

玄倉ではバス利用だったら完全アウトの時間だったが、こんなときは車利用でよかったとつくづく。帰りの道路も、すでに渋滞のピーク時間はすぎていたので空いてはいたが、普段あまり使わない高速に乗ってひとっ飛び、いつもの所要時間の半分で帰ることができた。

花立小僧さんお疲れさまでした。これに懲りずまたお願いしますってもう懲りたかな😊

 2025.2.25(火)
玄倉🅿[7:36]…玄倉林道…玄倉ダム[9:20]…玄倉第二発電所[9:30]…アッチ沢出合[9:45]…向山ノ頭[12:30/13:35]…裸山丸[13:28]…モチコシ沢ノ頭[13:51]…女郎小屋ノ頭[15:00/15:23]…女郎小屋ノ頭南西尾根…日向山[16:42]…日向山南西尾根…女郎小屋沢出合[18:08]…玄倉林道[18:23]…玄倉🅿[19:40]
《今回のルート図》

この記事へのコメント

  • 花立小僧

    イガイガさん
    先日はご同行有難うございました。ようやく念願かなって向山ノ頭を訪問することができました。また最後の日向山の下りでは超スローになってしまい、申し訳ございませんでした。
    やはり、このエリアはキツイですね。翌日の両腕・両脚の筋肉痛が半端なかったです。金曜日でもまだ痛みが残っていました。
    今後とも宜しくお願い致します。
    2025年03月01日 20:23
  • イガイガ

    懲りてなくてよかった😄
    もうひとつやり残してる玄倉・856&・862
    いずれ半日散策コースで計画しますので乞うご期待(^_-)-☆
    2025年03月01日 21:35