ほとばしる“世附の大棚”

先日の台風通過により、豪壮な流れの“世附の大棚”が見られると思い、訪れてみることにした。訪問ルートはどこからにしようか迷ったが、富士山も間近に眺めたいと思い、三国峠を起点とすることにした。そして、ただ歩くだけではもったいない。以前、一度失敗したまま放ったらかしにしていた課題をひとつ、解決していこうと思う。

ohtana.jpg課題とは、林班図には丸尾山の東に続く山稜の918mピークの先に大棚沢へ続く破線のルートが記されていて、このルートが気になり、一度探索したことがある。しかし、まるで見当違いなところを歩いてしまい、結局辿れずじまい、それ以降チャレンジしていない。現状はすでに廃路化していると思われるので、径路の痕跡が残っているかもあやしいが、なるべく忠実にたどり、現況を確かめてみようと思う。

三国峠には、いつものように6時半前に着いたが意外に先着車が多い。休日の早朝からこんなに止まっているのを初めてみた。まずは、早朝の富士山を眺めようと、気温が上昇する前に鉄砲木ノ頭へ。以前は少し歩きにくかった山頂までの登山路だが、整備されてずいぶん歩きやすくなっていた。山頂は人が多いかと思ったが、駐車場の車の数に反して夫婦連れ2名のみで拍子抜け、ゆっくり富士山を眺め、山中諏訪神社奥宮にご挨拶して稜線に向かった。

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山梨、神奈川の県境伝いの稜線をいく
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1300m圈の大岩を下って、三国林道が一番近づいたところで林道に降り東の丸尾山へ
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ヒモシ峠(火燃峠)から、大棚ノ頭(中央の尖り)方面をみる
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落石が崩落したままなので関係車両も通れず、轍のない下草が生えたイイ感じの林道になった
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丸尾山の付近を通る三国林道、このあたりは実にスッキリしている
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丸尾山とトチノ丸(橡ノ丸)の中間鞍部まで林道の道形は続いていたがここで終了。林道が途切れてからも、左の山腹を巻いていくような踏跡があったので辿ってみたが、段々と曖昧になってきたので断念してピークに上がった。

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トチノ丸の三角点で少し休憩していたら、熊スズの音が聞こえてきた。気のセイか…と思ったが、ホントに人がやってきた。この時間こんなところに来るなんて変人か達人しかいないと思い「どちらへ?」と声をかけると「水量が多そうなので大棚へ行く」とのこと、考えることは同じだね。少し言葉を交わし別れたが目的地は同じ、その後は何度か前後しながら880mで達人は東の尾根へ、変人は北のルートを辿って大棚へ向かった。

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トチノ丸から尾根伝いに・918標高点までやってきた。ここからが本番、北側の斜面から回り込んでいく道形がないか、目を凝らして進んで行くが、机上で考えていたほど甘くはなく、ハッキリした径路は見つからない。

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コンパスと地形図片手に、それらしきところを探っていくが、確信をもてるところがみつからない。紆余曲折しながら、880mあたりで北に方向を変えるところから見当をつけ、ルートとおぼしきあたりを辿っていく。径路があったはずだという信念がなければ、絶対に歩こうなんて考えないようなところだが、うっすらと歩けそうなルートが見えてきた。

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地形図を確認してみると、林班図の破線のとおりに降りてきているようだ。やがて沢音が聞こえてくると、最後は急峻なヤセ尾根を大棚沢まで下降していくのだが、尾根にはジグザグな径路が切られていた痕跡を感じながら下った。こんな写真じゃ全く伝わらないけどね…

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そして、無事に大棚沢右岸に軟着陸。沢の徒渉も問題なく、林道へも簡単に上がれてミッションコンプリート、と言いたいところだけど、前半部分が曖昧だったので成果は半分といったところだろうか。次回があるかどうかは分からないが、機会があったらまた探ってみようと思う。

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大棚沢林道に上がり大棚に向かっていくと、林道から落口を望めるところがある。様子をうかがうと、思ったほど水量がないように見える。アレレ、期待外れだったかな…

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林道から大棚に降りていくと瀑音が聞こえてくるが姿は見えない。水ノ木に集落があったころの遺構、ペルトン水車が健在なのを確認し、大棚に近づいていくと…

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瀑音を轟かせ、落差30mをほとばしる大棚は期待どおりの勇姿だ❗
やはり、丹沢随一を誇る水量は伊達じゃなかった。

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しかし、時間的には先着しいているはずの先ほどの彼の姿が見えないな、と思ったら滝壺のほうからヒョッコリ。どうやら滝下で大棚をじっくり眺めていたらしい。足元をみたらハイパーVだったので、話を聞いたら思ったとおりの沢好き達人でした。

一人になってじっくりと大棚を観瀑。残念ながら、きょうはハイパーVを履いてこなかったので慎重に岩場をへつって滝下に近づき、飛沫を浴びながら大棚を堪能した。

大棚のオーラを吸収したら、大棚沢林道に戻って、上流に向かって帰路についた。
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林道分岐、右はバラジマ林道、左は大棚沢林道支線、切通沢橋を渡り切通峠方面へ向かう。
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林道の終点からは切通沢を右岸に渡って切通峠へ続く山道をいく
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この分岐は右の切通峠に行かず左のヒモシ峠方面へ
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稜線の少し下側のトラバース路を行き、西群馬幹線264号鉄塔から稜線を乗り越えて三国林道に合流した。

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三国峠まではおよそ一時間の林道歩き、ほとんど高低差のない水平道なので疲れている帰り道にはよいが、うねうねと曲がって長く、一本調子なので少々退屈する。だからって稜線に上がって帰ろうとは思わないけどね😉

 2025.9.7(日)
三国峠🅿[6:45]…鉄砲木ノ頭[6:57]…大岩[7:20]…三国林道[7:43]…ヒモシ峠[7:56]…丸尾山[8:12]…トチノ丸[8:25]…918mピーク[9:04]…径路探索…大棚沢右岸[10:02]…大棚沢林道…大棚[10:23/10:45]…大棚沢林道…切通沢橋[11:46]…林道終点[12:30]…切通峠/火燃峠分岐[12:59]…西群馬幹線№264鉄塔[13:06]…三国林道[13:15]…三国峠[14:19]
 《今回のルート図》

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